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生活に入り込む「人工知能」、Apple「Siri」の進化は?:「Watson」の衝撃【後編】
未来の技術といわれていた“認識コンピューティング”は米Appleの「Siri」や米IBMの「Watson」などの先行技術の登場で急速に実用化しつつある。どのような世界が実現されるのだろうか。
前編「『人工知能』が医師や看護師代わりに? 意外な分野で進む実用化」に続き、後編では他のベンダーの認識コンピューティングへの取り組みや他の業種への適用を紹介する。
Watsonは、人工知能、機械学習、自然言語のテクノロジーを融合している。だが、かつてのスーパーコンピュータとは異なり、論理型の規則には従っていない。その代わりに、自然言語で行われる質問を分解して質問内容の状況を理解している。その後、研究や論文の情報のコーパスを分析し、候補となる回答を導き出している。ランクと裏付けとなる証拠によって一連の最適解を生成するという作業は、決定論アルゴリズムではなく確率的アルゴリズムに基づいて行われている。例えば「空は何色か」という簡単な質問の答えも状況によって異なる。青色や灰色のときもあれば、白色の場合もある。Watsonでは、質問を理解する試みが終わると、回答を得るために数千ものアルゴリズムを使用する。
インテリジェントなシステムが消費者に受け入れられる日も近いだろう。米AppleのiPhone用アプリ「Siri」など、インテリジェントなパーソナルアシスタントアプリケーションは普及が進んでいる。そのため、消費者は、コンピュータが自然言語を理解して複雑な質問に回答することを期待するようになっている。
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