ついにベールを脱いだiPhone 6とApple Watch
新型「iPhone 6」を素直に喜べない企業は? 「iOS 8」対応に時間切れの懸念
米Appleが同社スマートフォンの新型モデル「iPhone 6」を発表した。企業のIT管理者は、社内受け入れに向けて対応を急ぐ必要がある。また、新OS「iOS 8」への対応も急務だ。
企業のIT部門は、従業員による米Appleの新型モデル「iPhone 6」および「iPhone 6 Plus」(以下、iPhone 6/6 Plus)の社内持ち込みに備える必要がある。また、2014年9月17日に提供開始される新OS「iOS 8」への対応はさらに重要だ。その理由を説明する。
iPhone 6/6 Plusの発表に際して、Appleは企業向けの戦略を明らかにしなかった。しかし、企業のIT部門は、iPhone 6/6 PlusおよびiOS 8が社内ネットワークに入り込む前に準備することが山積している。
iPhone 6/6 Plusは2014年9月19日に発売される。現行モデルよりも画面が大型化し、4.7インチと5.5インチのディスプレーを搭載する。Appleは、今回発表した新型モデルによって、成長を続けるファブレット市場(スマートフォンとタブレットの中間に位置するカテゴリー)を狙っているように見て取れる。
新型モデルは画面が大型化したことによって、ますます多くの企業で幅広く導入されることが見込まれる、と米TECHnalysis Researchの創業者でチーフアナリストのボブ・オドネル氏は話す。
「大きな画面は消費者だけでなく企業にとっても重要だ。端末の大型化には需要が秘められている」
Appleは、iPhone 6/6 Plus、同時発表のウェアラブル端末「Apple Watch」に関して、企業が得られるメリットについて明らかにしなかった。こう指摘するのは、米ニュージャージー州の大手製薬会社でモバイルイノベーション担当幹部を務めるブライアン・カッツ氏である。
企業ユーザーに影響を与える可能性のある機能としては、カメラ機能の向上をはじめとして、端末をIDカードの代わりに利用したり、指紋認証センサー「Touch ID」のAPIを利用してアプリケーションに2要素認証を実装したりといったことが考えられる。
IT部門にとっての最大の課題はiOS 8
BYOD(私物端末の業務利用)を導入する企業では、iPhone 6/6 Plusはすぐに職場に持ち込まれることになるだろう。だが、IT管理者にとっての本当の課題は、9月19日に発売される新型端末への対応ではなく、その2日前に提供開始されるiOS 8への対応である、とカッツ氏は指摘する。
「あなたの管理するシステムが正常に動作するように確認する必要がある。iOS 8のβ環境でアプリを検証していないようであれば、企業として、深刻なトラブルを引き起こす可能性がある」
例えば、Appleはこれまでに、モバイル端末と「Microsoft Exchange」の間でデータを同期する機能「Exchange ActiveSync」(EAS)の処理方法を変更したことがある。もし社内でEASのメールインフラを使用している場合、事前検証しておかなければ、iOS 8デバイスでの電子メールトラブルに直面する恐れがある。
エンタープライズモバイル管理(EMM)ベンダーは、iOS 8の提供開始に合わせて対応を進めている。しかしながら、カッツ氏によると、完全に準備を整えることはできないだろうという。
米AirWatchは、iOS 8の提供開始と同時にサポートすると発表したEMMベンダーの1社である。
Appleがイノベーションを加速し、消費者がますます多くのメリットを製品から得られるようになれば、幾つかの点においてIT管理者の負担を軽減することにつながる。Appleのソリューションプロバイダーである米Tech Superpowersの創業者、マイケル・ オー氏はそう話す。
サポート対象となるiOSのバージョンは非常に限られている一方で、Androidでは多くのバージョンが併存している、と同氏は説明する。
「Appleはユーザーを次の世代に促すのが上手だ。それにより、IT管理者の負担は大幅に軽減する」
“大型化”がもたらす企業への課題
iPhone 6/6 Plusは端末が大型化した。それに伴って、企業向けアプリケーションには修正などが必要となるかもしれない。大きくなった画面では、アプリケーションが適切に表示されない可能性があるためだ。カッツ氏によると、iOS 8には、アプリケーションの画面を自動で調整するための開発者向け機能が追加されているという。
「現在、多くの企業がモバイルアプリを導入している。そうした企業向けに、今後数カ月中に、大型化した新端末の有用性を高める多くの改善が見え始めるだろう」(カッツ氏)
画面サイズが大きくなり表示領域が広くなれば、より洗練されたカスタマイズ可能な企業向けアプリケーションを開発しやすくなるだろう、とオドネル氏は話す。
「画面解像度と表示領域が向上し、デスクトップアプリと同じような使い勝手のアプリを動かすことが可能になれば、多くの人にとって大きな意味を持つようになる」(同氏)
Appleは米IBMを企業向けモバイル分野で提携しているが、iOS 8デバイス向けの新たな企業向けアプリケーションについては何も明らかにしなかった。
iPhone 6の価格は、16Gバイトモデルが199ドル、64Gバイトモデルが299ドル、128Gバイトモデルが399ドル。iPhone 6 Plusは、16Gバイトモデルが299ドル、64Gバイトモデルが399ドル、128Gバイトモデルが499ドルとなっている。Apple Watchの価格は349ドルからで、2015年初めの発売予定となっている。
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