オブジェクトストレージのメリット
AWSの台頭で変わったデータベース/ストレージ選定の新常識
「Amazon Web Services」(AWS)で利用できる各種データベースのメリットを解説する。また、「Amazon S3(Simple Storage Service)」などのオブジェクトストレージを使うメリットについても説明する。
ここ30年ほど、システム開発に付随している基本的な問題がある。それはデータの保存場所と保存方法を特定する必要性だ。ユーザーはデータの保存と管理をデータベース管理システムに任せるようになっている。だが、クラウドストレージの台頭により、データベース管理システムは無条件では選ばれなくなっている。
「Amazon Web Services」(AWS)では、次のデータベースが利用可能だ。
- Amazon RDS(Relational Database Service)
- Amazon DynamoDB
- Amazon Redshift
- Amazon SimpleDB
- Amazon EC2 リレーショナルデータベース AMI(Amazon EC2《Elastic Cloud Compute》上でリレーショナルデータベースを実行。データはAmazon EBS《Elastic Block Storage》に格納)
AWSのクラウドストレージは次の3種類に大別できる。
- インスタンスストア(一時ストレージ)
- Amazon EBS(Elastic Block Storage)
- Amazon S3(Simple Storage Service)
本稿では、Amazon S3などのオブジェクトストレージを活用するメリットについて説明したい。説明を簡潔にするため、Amazon EBSと一時ストレージは横に置いておきたい。オブジェクトストレージは従来のファイルシステムストレージよりも拡張性が高い。データの永続性という観点でストレージとデータベースを比較するときには、一般的に拡張性について考えることだろう。オブジェクトストレージは、ディレクトリ構造でファイルを整理するのではなく、フラットなコンテナ構造にファイルを格納する。また、ファイルの取得には一意なIDを使用する(Amazon S3では、コンテナのことを「バケット」、IDのことを「キー」と呼ぶ)。
オブジェクトストレージには、ファイルの格納やアクセスに必要なメタデータがファイルシステムより少ないというメリットがある。メタデータはオブジェクトと一緒に保存されるため、ファイルメタデータの管理オーバーヘッドが少なくなり、一般的にファイルシステムより効率が良くなる。つまり、開発者は、オブジェクトストレージをほぼ無制限に拡張できる。必要な作業はノードの追加だけだ。
オブジェクトストレージの一般的な用途は、非構造化データやアーカイブデータの処理である。これにはメディア(写真、音声、動画など)、Webコンテンツ、ドキュメントの保存が含まれる。また、ユーザーが既存のクラウドや非クラウドをバックアップすることも含まれる。実際、普及が進んでいる多くの個人向けのクラウドストレージにはAmazon S3が活用されている。
オブジェクトストレージは非リレーショナルデータベースにも適している。これにはApache Software Foundationの「Hadoop」や分散処理技術「MapReduce」などデータアプリケーションでの使用も含まれる。それから、ログファイルやセンサーのデータを保存するのにも適している。
データベースでは、データの保存にさまざまなアプローチとメカニズムが採用されているのが一般的だ。そのため、データベースは、異なる用途に利用される。これはAWSで提供されているデータベースにも当てはまる。例えば、トランザクションデータの保存、マルチユーザーアクセスの提供、保存データに制約を設けることなどに使用するデータベースがある。
データベースは、ユーザーに物理的な内部ストレージを公開することなく、情報を取得して更新することが可能だ。通常、データベースではデータをマルチユーザーによるアクセスの問題から保護するために、データカタログと同時アクセス制御サービスが使用されている。
さらに、データベースには復旧サービスが用意されている。そのため、整合性のある状態にロールバックすることが可能だ。また、高度なセキュリティサービスやデータ通信の完全性サービスのサポート、データの独立性を促進する機能も用意されている。つまり、データは論理的な単位で簡単に分割できる。それから、データベースとパフォーマンスの監視、データの抽出とインポートなどのユーティリティサービスも提供されている。
データベースは、特別な分析サービスが必要でない限り、業務システムの構築で頼りになるテクノロジーだ。Amazon S3などのオブジェクトストレージがさらに洗練されれば、本稿で紹介したようにクラウドストレージは特定の用途における保存先の選択肢となるだろう。
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