SMBが検討すべきWindows Server 2003移行のポイント【第3回】
「Windows Server 2003」移行こそ“ポジティブ姿勢”で取り組むべき
「Windows Server 2003」からの移行を単なるシステム更新だけに終わらせてしまうのはもったいない。避けられない負担であるならば、そこから最大限のメリットを見いだすというポジティブな姿勢で臨むことが得策といえるだろう。
本連載では中堅・中小企業が「Windows Server 2003」からの移行に取り組む際のポイントについて調査データを踏まえながら解説している。第1回(「Windows Server 2003」移行であらためて考えたい“サーバ仮想化”)では移行に合わせてサーバ仮想化に取り組むことの有効性について触れた。また、第2回(「Windows Server 2003」移行は誰が、いつ、何をすべきか)では「サーバ移行における計画立案や実作業を誰が担うべきか?」に関する留意点を述べた。
第3回となる今回は、サーバ移行と一緒に取り組んでおくべき事項、特に業務システムの観点について見ていくことにしよう。
業務アプリケーションも同時に刷新/バージョンアップするのが本当に最善か?
以下のグラフは年商5億円以上100億円未満の中堅・中小企業に対して、「Windows Server 2003からの移行と一緒に実施済みまたは実施予定のソリューションは何か」を尋ねた結果である。
「既存の業務アプリケーションを刷新またはバージョンアップする」が41.8%で最も多く挙げられている。実際、サーバ機器やOSの入れ替えと同時にその上で稼働する業務アプリケーションもバージョンアップするというケースは非常に多く見受けられる。
その次に多く挙げられているのが「サーバ仮想化を活用し、物理サーバ資産の有効活用に努める」(28.6%)や「クラウド上にサーバ環境を複製/保管できるサービスを活用する」(26.0%)といった項目だ。これらは第1回で解説したサーバ仮想化やクラウドの活用例に他ならない。この結果からも第1回で触れた取り組みを既に多くの中堅・中小企業が実践しようとしていることが確認できる。
今回焦点を当てるのは、最も多く挙げられた「既存の業務アプリケーションを刷新またはバージョンアップする」という項目だ。確かにハードウェアからソフトウェアまでを同時に更新した方が費用面や作業面で有利であることは間違いない。しかし、現在と同じ業務アプリケーション環境を再現するというだけで本当に良いのだろうか? サーバ仮想化という新たな要素が加わったのと同じように、業務アプリケーションについても何か工夫できることはないかを探ってみる価値はある。
業務システム種別に応じた移行手段を検討することが重要
それを考える前に、まずは現状を確認しておこう。以下のグラフは年商5億円以上100億円未満の中堅・中小企業に対し、「Windows Server 2003上で稼働している業務システム種別」を尋ねた結果である。
会計、購買/販売、人事/給与などの「基幹系業務システム」、メールやグループウェアなどの「情報共有システム」をはじめ、ファイル共有などの「部門内利用」も含めたさまざまな業務システム種別が挙げられている。それぞれの業務システム種別が全体に占める割合は一般的なサーバ導入実態とそれほど変わらない。
つまり、Windows Server 2003から移行しなければならない業務システムの種別は基幹系業務システムからファイル共有用途まで多岐にわたることになる。また、Windows Server 2003上で稼働しているシステム数を尋ねた結果は、年商5億円未満で平均1.70、年商5億円以上50億円未満で平均2.74、年商50億円以上100億円未満で平均3.43となっている。従って、「基幹系業務システムとファイル共有」などといったように少なくとも2つの業務システムについて移行の必要が生じているケースが多いものと考えられる。
ここで、「会計システムとファイル共有の2つの用途で2台のWindows Server 2003が残存している」というケースを例に考えてみよう。将来的には販売管理システムの導入も検討しており、一方でスマートフォンなどを用いて社外からもファイルを閲覧したいというニーズも挙がっている状況であるとする。この時、新しいWindowsサーバOSが稼働する2台のサーバを購入し、それぞれのシステムを更新するというアプローチはベストといえるだろうか? ここでサーバ仮想化やクラウドの活用を視野に入れると、これまでとは異なる新たな選択肢も浮かび上がってくる。
例えば、ファイル共有については社内設置型のファイルサーバではなく、「Dropbox for Business」「Google Drive for Work」「OneDrive for Business」などに代表されるオンラインストレージサービスへ移行するという方法が考えられる。こうすれば、ファイル共有に必要なサーバ機器とOSの導入費用を安価なサービス利用費で代替できる。同時にスマートフォンからのアクセス環境も整う。
一方、会計システムについてはファイル共有でサーバ機器が不要になった分、少しスペックの高いサーバ機器を導入する。そこにサーバ仮想化を導入し、販売管理システムを将来的に同居できる環境を整えておく。
このように複数の業務システムに対して全て同じ移行方法を適用するのではなく、現場のニーズや将来のシステム計画を踏まえて、サーバ仮想化やクラウドを含めた複数の手段を織り交ぜていくことが有効だ。「現状と同じ状況を再現する」と決めてしまわず、より良いシステム環境を構築する機会と捉えて、じっくりと考えてみることをぜひお勧めしたい。
以上、全3回にわたって中堅・中小企業がWindows Server 2003からの移行に取り組む際のポイントについて解説してきた。全てを通じていえることは「単なるシステム更新だけに終わらせてしまうのはもったいない」ということだ。サポート終了への対策は中堅・中小企業にとって少なからぬ負担ではある。だが、避けられない負担であるならば、そこから最大限のメリットを見いだすというポジティブな姿勢で臨むことが得策といえるだろう。本連載がその契機となれば幸いである。
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SMBが検討すべきWindows Server 2003移行のポイント
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