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特集/連載

外国人患者へのおもてなし強化を目指す浦添総合病院、リアルタイム通訳を実現医療IT最新トピック

「データヘルス計画」支援でのDeNAと住友商事の提携、浦添総合病院のリアルタイム通訳サービス導入、大阪市天王寺区のスマホ向け子育て情報アプリの提供開始など、医療IT関連の最新トピックを紹介します。

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 「IT化が他分野より10年遅れている」ともいわれる医療業界だが、関連技術や製品、サービスは日々進化している。医療IT関連の動向を紹介する「医療IT最新トピック」。今回は、健康保険組合の「データヘルス計画」実施を支援するディー・エヌ・エー(DeNA)と住友商事の合弁会社設立、急増する外国人患者への医療サービス向上を目指す浦添総合病院のリアルタイム通訳サービスの導入、大阪市天王寺区のスマートフォン(以下、スマホ)向け子育て情報アプリの提供開始などを取り上げる。

政府が後押しする電子お薬手帳、2020年の市場規模は155億円に

 市場調査会社の富士キメラ総研は2015年1月30日、ヘルスケア関連機器/サービスの国内市場調査の結果をまとめた報告書「デジタルヘルスソリューション市場の将来展望 2014」を発表した。デジタルヘルスソリューションには、血圧計や活動量計、歩数計、ヘルスケアバンド、ランニングウオッチなどのヘルスケア関連機器15品目と、健康管理支援サービスや女性向けヘルスケアサービス、電子お薬手帳、電子母子健康手帳、高齢者見守りサービスなどの関連サービス10品目を含む。

 富士キメラ総研は、2014年のデジタルヘルスソリューション国内市場が前年比8.8%増の1338億円になると見込む。また医療費の削減や生活習慣病対策に加え、2020年の東京五輪などで国民全体のスポーツ活動への意欲の高まりなどが要因となり、同市場が拡大すると分析。ライフログ/ウェアラブル機器の需要拡大や新規参入企業の増加、規制緩和に伴う新市場の創出、ビッグデータ利用による地域医療連携/個別化医療の実現などが市場拡大の鍵となり、2020年には3330億円(2013年比で2.7倍)の市場規模になると予測する。

 さらに富士キメラ総研は、服薬情報の記録や閲覧、保管ができる電子媒体を提供するサービス「電子お薬手帳」の2020年までの市場予測も発表した。2014年の薬事法改正によって電磁的記録による情報提供が認められたり、日本政府が打ち出した「日本再興戦略」においてお薬手帳の導入が推進されたことなどから、2014年の同市場を2013年比2.3倍の27億円になると見込む。

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関連サービスの国内市場予測(出典:富士キメラ総研)

 また、厚生労働省が2015年度末までに30%以上の薬局で電子お薬手帳を提供することを目標に掲げていることから、2020年にはドラッグストア併設の薬局でも電子お薬手帳が普及すると富士キメラ総研は分析する。介護/福祉分野やフィットネスクラブとの連携などで市場が拡大し、2020年には155億円(2013年比12.9倍)の規模になると予測する(発表:富士キメラ総研<2015年1月30日>)。

診療予約システムの最新版「診療予約2015」を発表、メディカルフォレスト

 診療予約システムを開発・提供するメディカルフォレストは2015年2月1日、診療予約システムのシリーズ最新版「診療予約2015」のオンライン提供を開始した。診療予約2015は、「順番待ち版」「時間帯予約版」「(順番待ち、時間帯予約の)複合版」の3種の予約方式が利用でき、病院やクリニックは順番待ちリストや予約リスト画面から患者予約を管理する。

 診療予約2015の導入によって、病院やクリニックでは順番待ちや予約情報の共有や一元管理が可能になり、患者は携帯電話やスマートフォン、クライアントPCからオンラインで順番待ちの情報取得や予約ができるようになる。また診療予約2015は、診察時間が近づくとメール通知する「もうすぐ診察お知らせメール」機能を備える。

 診療予約2015の初期費用は不要で、月額利用料金は従量課金方式で1万円から(複合版は月額1万5000円から。全て税別)である(発表:メディカルフォレスト<2015年2月1日>)。

病院のお知らせ情報を検索できるWebサイト「SCUEL Hospital News」、ミーカンパニー

 病院検索アプリなどを手掛けるミーカンパニーは2015年2月2日、休診情報や外来予定変更など病院のお知らせ情報を検索できるWebサイト「SCUEL Hospital News」を公開した。

 SCUEL Hospital Newsに掲載する情報は、休診や診療時間の変更情報の他、専門領域の勉強会やセミナー情報、人材募集および導入した医療機器などの情報だ。ミーカンパニーが2014年9月から、医療機関と調剤薬局のデータベースを各社との提携を通じて構築している「SCUEL Project」の情報を利用する。SCUEL Projectは病院や歯医者、薬局の信頼性の高いデータベースの開発・収集を行う共同プロジェクトで、全国約16万件の病院やクリニック・歯科医院の情報に加え、約5万件の調剤薬局のデータベース情報を保有する。

 今回発表したSCUEL Hospital Newsでは、病院の状況の変化や特性、方向性などを収集、解析することでより専門的で鮮度の高い医療機関データベースの構築を目指すと同社は説明する(発表:ミーカンパニー<2015年2月2日>)。

オンライン健康相談サービス「Doctors Me」をリニューアル、サイバー・バズ

 サイバーエージェントの連結子会社で、インターネットマーケティング・ヘルスケア事業を展開するサイバー・バズは2015年2月2日、オンライン健康相談サービス「Doctors Me」を全面リニューアルし、医療・ヘルスケア分野におけるニュースの配信を開始した。

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Doctors Meの医師コラム集ページ(出典:サイバー・バズ)

 Doctors Meでは、2013年11月から病気の疾患・予防に関する情報を「医師執筆コラム」として配信してきた。同コラムに加え、新たに「日々のちょっとした疑問」や「世の中の話題のニュース」に医療専門家が解説する記事を提供する。以下のカテゴリを対象とする。

  • トレンド
  • 健康・予防
  • 女性向け
  • 妊娠・子育て
  • 男性向け
  • シニア向け
  • ペット

 サイバー・バズでは、毎月150本程度の記事を配信する予定(発表:サイバー・バズ<2015年2月2日>)。

DeNAと住友商事、健康保険組合の「データヘルス計画」実施を支援する合弁会社を設立

 ディー・エヌ・エー(DeNA)と住友商事が合弁会社を設立し、健康保険組合向けの新サービス「KenCoM」の運営を2015年4月に開始する。

 KenCoM(Kenko reCommendation Media)は、患者などユーザーの健康データを一元管理し、ユーザー1人ひとりの健康度に応じた情報を提供するWebサービスだ。ユーザーが自身の健康増進に興味を持ち積極的に取り組むための支援を目的とする。以下の機能を提供する予定。

  • ユーザーの健康診断情報を取り込み、その結果を時系列で管理・閲覧可能に
  • 専門家による健康コラム、健康ニュースなど多岐にわたる情報の中から、ユーザーごとに最適な情報を提供
  • 情報の閲覧履歴などを参考に、ユーザーの興味・関心に合った情報を選択して表示
  • 健康イベントへの参加呼びかけ、歩数・体重などバイタル情報の記録管理
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KenCoM(出典:DeNA)

 DeNAと住友商事では、厚生労働省が推進する「データヘルス計画」に取り組む健康保険組合を支援する事業と位置付け、将来的には1000万人以上の利用を目指す(発表:DeNA、住友商事<2015年2月3日>)。

医療機関の漏えいリスクの具体例を紹介するDVDを販売、円盤家

 企業向け商品説明映像などを手掛ける円盤家は2015年2月3日、医療機関の情報漏えい対策マニュアルDVD「病院向け情報セキュリティ問題事件簿DVD」を販売開始した。

 病院向け情報セキュリティ問題事件簿DVDでは、病院におけるさまざまな情報漏えい事故がどのようにして起こるかについて具体的な実例を交えて紹介。また、情報漏えいのリスクを伴う7つの行動を紹介し、情報漏えい事故を防止するポイントを再現ドラマにまとめた。

 希望小売価格は3万9800円(送料を含む税込金額)で、Androidベースの組み込みシステムの開発促進団体「Open Embedded Software Foundation(OESF)」が運営するECサイト「EXTROID」で購入できる(発表:円盤家<2015年2月3日>)。

浦添総合病院、5カ国語のリアルタイム通訳が可能なクラウドサービスを導入

 浦添総合病院(沖縄県浦添市)がNECの通訳サービス「クラウド型ビデオ通訳サービス」の利用を開始した。タブレットを用いてNECの通訳センターとビデオ通話で接続し、リアルタイムな翻訳を可能にした。提供元のNECが2015年2月4日に発表した。

 観光立県である沖縄県では、年々アジアからの観光客が増加している。その影響もあり、救命救急センターを持つ浦添総合病院の外国人患者数も増加傾向にあった。同病院では英会話が堪能な職員は限られている。そもそも英語を話さない外国人患者も多く、患者やその家族との意思疎通が図れない事例も増えてきたという。

 そのため、5カ国語をリアルタイムで通訳できるクラウド型ビデオ通訳サービスを導入した。同サービス用に3台の端末を院内に設置し、外来と病棟の一部に無線LAN環境を構築した。浦添総合病院は同サービスの導入で、英語や中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語の5カ国語通訳サービスを24時間365日、リアルタイムで利用できるようにした。

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利用イメージ(出典:NEC)

 同病院では、より丁寧できめ細かな診療サポートの実現とともに、外国人患者の対応時間や待ち時間の短縮などの効果を期待する。今後は同一法人内にある健診センター、クリニックへの導入も検討している(発表:NEC<2015年2月4日>)。

大阪市天王寺区、スマートフォン向け子育て情報アプリを配信開始

 大阪市天王寺区は、スマートフォン向け子育て情報アプリ「ぎゅっと!」の無料配信を2月14日に開始する。開発・提供元のインフォ・ラウンジと日本マイクロソフトが同月5日に発表した。

 天王寺区では、保育園や医療機関などの施設情報、イベント情報、予防接種スケジュールなど子育てに関する地域情報を、天王寺区広報紙や子育て情報紙など複数の媒体で提供してきた。今回のアプリ配信によってさまざまな情報をアプリに集約し、区民自身が必要な情報を自動で受け取ることができるようにした。

 ぎゅっと!では、施設情報検索、イベント情報検索、予防接種スケジュール管理などの機能を備えている。また、住所や子どもの年齢に応じて必要な情報が自動で届くパーソナライズ機能とプッシュ通知機能を利用できる(関連記事:生まれる前からライフログ管理――タブレット活用の電子母子健康手帳が医療を変える)。

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ぎゅっと!画面例

 ぎゅっと!は、インフォ・ラウンジが開発したオープンデータ作成・管理・公開のためのソリューション「Datashelf」と、日本マイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」を基盤に採用する。iOS 7.1以上、Android 4.1以上のスマートフォンで稼働する。

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