リモートデスクトップソフトが両者を仲介
茗台中学校が「iPad Air」×「Windows端末」でかなえた“電子黒板に振り回されない授業”とは?(1/3 ページ)
電子黒板の操作のために端末に付きっきりで、机間巡視もままならない――。そんな課題をiPad AirとWindows端末、そしてその両者をつなぐ仕組みの導入で解決したのが、文京区立茗台中学校だ。
Microsoftの「Windows」を搭載したノートPCとタブレットに加え、Appleのタブレット「iPad Air」を授業で活用するのが、東京都の文京区立茗台中学校だ(写真1)。WindowsノートPCを電子黒板に接続して、電子黒板の画面表示や操作用に利用。教員用端末にはiPad Air、生徒用端末にはWindowsタブレットを採用して授業に役立てている。
タブレット導入に加えて茗台中学校は、教員が手元のiPad Airから電子黒板の画面をリモート操作したり、生徒のWindowsタブレットに電子黒板の画面を一斉配信したりできる仕組みを整備した。これにより教員は、電子黒板用のWindowsノートPCの操作に縛られることなく、生徒の机の間を歩き回る机間巡視をしながら授業ができるようになったという。
茗台中学校は、なぜiPad AirとWindowsタブレットの双方を導入したのか。iPad Airからの電子黒板のリモート操作は、どのような仕組みで実現しているのか。実際の授業の様子とは。茗台中学校が2016年1月15日に実施した研究発表会の内容を基に解説する。
iPadとWindowsタブレットの併用を最初から検討
茗台中学校は、2014年度から文京区が実施している「ICT教育モデル事業」の実証校だ。2014年9月から2016年3月末までの約2年にわたり、IT活用の実証研究に取り組む。学習者が主体的に学べる環境の構築に加え、タブレット端末を活用した思考力、判断力、表現力の育成を目指す。
文京区は、実証校に導入するIT機器やシステムの選定に関して、各学校にある程度任せている。茗台中学校の戸部範一校長は、当初からWindows端末とiPadシリーズの両方が使える環境構築を模索していたという。
なぜWindows端末とiPadシリーズの併用を選んだのか。戸部校長は、「操作性に優れていて映像に強いiPadと、『Microsoft Office』のデータやデジタル教科書などデジタルコンテンツが豊富なWindows端末双方のメリットをそれぞれ生かせれば有用だと考えた」と、その理由を語る。ITの活用場面によって両者を適切に選択することで、それぞれの強みを引き出したいという考えだ。
「教室内を動き回れない」 電子黒板の操作が課題に
タブレットの導入を進める際、茗台中学校には併せて考えるべき課題があった。それは電子黒板の使い方に関する課題だ。
茗台中学校は以前から、授業に電子黒板を利用していた。電子黒板にはWindowsノートPCを接続し、その画面を電子黒板の大画面に表示する仕組みだ。そのため教員は、電子黒板を操作する際、電子黒板のそばにあるWindowsノートPCのところまで行って操作する必要があった。故に、頻繁に教室内を歩き回って机間巡視することが難しい状況だったという。
こうした状況を改善したいと考えていた戸部校長は、「教員が電子黒板の操作に縛られることなく、自由に生徒の中に入って、一人一人の様子を見ながら進められるような、教室内が一体となった授業を実現したいと考えていた」と話す。その実現手段を探る中で、戸部校長がたどり着いたのが、WindowsノートPCのデスクトップ画面をネットワーク経由で転送し、タブレットからのリモート操作を可能にする「リモートデスクトップソフトウェア」だった。
リモートデスクトップソフトウェアを利用すれば、無線LANや携帯電話回線を通じて、タブレットからWindowsノートPCのデスクトップへいつでもどこでもアクセスし、ノートPCで稼働するデータやアプリケーションをリモート操作できる。タブレットに転送されるのは画面だけであり、データそのものは転送されないので、万一端末を紛失した場合でも情報漏えいに結び付きにくい。
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