「シンプルなファブリック」でSDNは「2016年こそ本当に」離陸できるのか:普及を阻むのはベンダーの独善的拙速(1/3 ページ)
「企業はメリットのないものを決して導入しない」「従来技術によるネットワークアーキテクチャは終わりを迎えようとしている」と語るネットワーク技術者が、SDNが普及するために必要な条件を示す。
「Software Defined Networking(SDN)は複雑そうだ」「SDNはうちのような規模の小さい企業には見合わない」
このようなユーザー企業の声を、この数年何度も聞いてきた。SDNという言葉に対して、日本ではこのような間違ったイメージに基づく誤解が広まっている。その原因は、多くのSDN対応ネットワーク機器ベンダーが、ユーザー企業の課題を解決するためではなく、自分たちの理想とするSDNを主軸とした提案を押し付けてきたことにある。しかし、ユーザー企業は、ビジネスメリットのないものを決して導入しない。
その一方で、ネットワークを取り巻く環境が急激に変化している。スマートデバイスやインターネットにつながるモノ(IoTデバイス)の普及、ビッグデータの活用が進み、新たなビジネスチャンスを生んでいる。これらのビジネス活用が進む中、ユーザー企業はビジネスプロセスの自動化を求めている。「デジタルトランスフォーメーション」と呼ぶことも多いこの流れがある一方で、支えるネットワークインフラは従来通り設定や構成変更が必要なままだ。この状態はいつまで続くのだろうか。
今こそ自動化したネットワークが必要だ。そのためにはSDNの概念を実現できる正しいアプローチが必須になる。この記事ではそのステップを紹介する。
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