革新的な変化を待つ時代でなくなった
Windowsの「仮想デスクトップ」が次のビッグウエーブにならない意外な理由
エンドユーザーコンピューティングの次の大きな波は何か。この分野に携わる人なら、誰もがここ数年にそう自問したことがあるだろう。だが、それは考えるべき正しい問題ではない。
仮想デスクトップインフラ(VDI)は長い間、“次の大きな波”としての期待がかかっていた。初期にはコストとスケーラビリティの問題から利用が伸び悩み、ベンダーがこうした状況の打開策を見いだすまでに、普及の新たな障害が現れた。
それが「モビリティ」の問題だ。当初、多くの関係者はVDIとモビリティは理想的な組み合わせと考えていた。それは、IT部門は確立された技術を使って、エンタープライズ対応のWindowsデスクトップをスマートフォンやタブレットに提供できると期待したからだ。
ところが間もなく、モバイルデバイスで使うVDIの使い勝手が普通以下なことが明らかになった。モバイル時代には、使い勝手が何より重要なのにもかかわらずだ。
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VDIを巡る最新情報
最近では、デスクトップからアプリケーションへと市場の焦点が移っている。MicrosoftとCitrix Systemsの新戦略がそれを分かりやすく示している。両社は2016年8月、Microsoftがクラウドアプリケーション配信サービス「Azure RemoteApp」の提供を打ち切り、代わりにCitrixの「XenApp」をMicrosoft Azureで提供すると発表している。だが、このアプローチは、幾つかの関連した新たな疑問を呼び起こす。その最たるものが、「MicrosoftがCitrixに市場を譲ろうとしているのは、アプリケーション配信には将来性がないからでは」という疑問だ。
だが、その解釈は間違っている。両社の発表は、「アプリケーションをユーザーに届ける方法が最近はたくさんあり、ベンダーはそれらの中から選択しなければならない」ことを意味する。アプリケーションを配信、デプロイする必要があるIT担当者も、選択肢を検討する必要がある。選択肢は、物理デスクトップ、デスクトップ仮想化、アプリケーション仮想化、DaaS(Desktops as a Service)、AaaS(Applications as a Service)、アプリケーションレイヤーリング、ワークスペース、SaaS(Software as a Service)、Webアプリ、ネイティブモバイルアプリ、ハイブリッドモバイルアプリ、アプリリファクタリング、仮想モバイルインフラと多岐にわたる。Microsoftのような大企業も含めて、どのベンダーも、こうした技術全てを手掛けるリソースは持っていない。
これらの技術にはいずれも効果的な使い方がある。そのためにエンドユーザーコンピューティング環境では、幾つかの方法が混在している。現代のナレッジワーカーは、「ノートPCでネイティブWindowsアプリケーションとSaaSアプリを、場合によっては1つか2つの仮想環境にあるアプリも組み合わせて使うとともに、モバイルデバイスでネイティブモバイルアプリやSaaSアプリを、エンタープライズアプリストアやワークスペース、他のポータルからアクセスして使う」ことが普通になっている。
エンドユーザーコンピューティングに次の革新的な技術の“大きな”波はない。エンドユーザーコンピューティング自体、このように多種多様な技術を組み合わせてインテリジェントに管理する、社員がいつどこでも、必要なツールを利用できることが、次の“さざ波”となって押し寄せているからだ。
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