環境だけではなくユーザー企業のコスト削減にも効果
買い取られた中古スマートフォンはどのように活用されているのか? その意外に多様な活用法
新しいスマートフォンの発売に合わせ、まだ使える従来モデルを処分する企業は少なくない。スマートフォンのリサイクルは環境だけでなく、コスト削減においても大きな効果がある。
モバイルデバイスはいつまでも使えるものではない。新モデルを購入しても数年使ったら、また話題の新モデルに買い替えるユーザーや企業は少なくない。従業員にデバイスを支給する企業では、買い換えるデバイスが膨大な数になる。だが、このときに処分する従来モデルはまだ使える。少なくとも、部品にはまだ価値が残っている。
今、古いデバイスの再生に取り組む企業が登場している。そのような企業では大手の通信キャリアやFacebookなどの大規模企業向けに、スマートフォンの買い取りとリサイクルのプログラムを事業として展開している。新品のように再生した従来モデルを、発展途上国向けに販売し、モバイルコンピューティングの普及を目指す取り組みだ。
この記事では、スマートフォンの処分が環境に与える影響と、リサイクルによって企業にもたらすメリットについて、現場の意見を紹介する。
併せて読みたいお薦め記事
IT業界におけるリサイクルの取り組みとは
企業システムのリプレース問題を考える
今回、スマートフォンのリサイクルにおける現状を語ってくれるのは、7年にわたってこの事業に携わっているHYLA Mobile CEOのビジュ・ナーヤル氏だ。
──モバイルコンピューティングの普及は社会にとってどのような意味を持っていますか。
ビジュ・ナーヤル氏 ユーザーの生産効率と機動力が向上し、迅速な対応が可能となります。考えなしの無駄な行動が減るはずです。かつては、十分な情報なしにその場の思い付きで発言することも珍しくありませんでした。最近は、何か発言すると、人々はすぐにスマートフォンを取り出し、Googleで検索します。
──企業はどうすれば購入したモバイルデバイスを最大限に活用できますか。
ナーヤル氏 Uberの例が参考になります。Uberは毎日のように新規のドライバーを登録し、登録したドライバーにモバイルデバイスを支給しています。支給するモバイルデバイスは、自社のニーズを満たし最もコスト効率の高いモデルを選ぶ必要があります。Uberは素早く使えて、高機能で、次に使い回せる再生デバイスを活用したいと考えています。
──モバイルコンピューティングの盛り上がりは環境にどのような影響をもたらしていますか。
ナーヤル氏 HYLA Mobileは創業以来これまでに約4200万台のモバイルデバイスを回収して再生してきました。ごみ埋立地に送る代わりにリサイクルに回すことができた電子廃棄物は約7700トン以上になります。
大衆は具体的な数字で成果を把握できないと、環境問題の議論にすぐに飽きてしまいます。廃棄物から資源を回収する「アーバンマイニング」に取り組む企業も増えています。修理がコストに見合わないモバイルデバイスを回収し、プラスチックや貴金属、バッテリーなど、可能なものは全て再資源化します。5~10ドルのコストが掛かるとしても、その先の工程を経て、貴金属やプラスチックなどの部品を販売すれば、20~30ドル程度の価値を引き出すことができます。
──企業が持続できる取り組みとして、スマートフォンのリサイクルプログラムを取り入れるにはどうすればいいのでしょうか。
ナーヤル氏 通信キャリア向けのプログラムを用意して、個人向けだけでなく企業向けの対応窓口を設けるのが効果的です。従業員が自分で回収窓口のWebページやショップに出向かずに済むように、回収企業がまとめて対応します。ユーザー企業には回収箱を送り、社内で回収した端末を配送してもらいます。その後、会社に買い取り額を連絡します。ごみ埋立地に送らずに済んだ電子廃棄物の量を公開するのもいいでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
4
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
5
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
世界のデータセンター容量は5カ国に69%集中、電力消費「5%の壁」が招くものとは?
-
8
データセンター事業者が「脱VMware」をした“例のライセンス問題”じゃない理由
-
9
積水化学工業が「SAP S/4HANA Cloud」の“全グループ導入”に踏み切った訳
-
10
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー