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セルフサービスBIの“落とし穴”、使って分かるその限界と対応策高度な分析への対応はどうなっている?(1/2 ページ)

セルフサービス型のBIツールはビジネスインテリジェンスソフトウェアの主力定番になっている。一方でベンダーは、企業のニーズや高度な分析への対応方法を再考する必要に迫られている。

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代表的なセルフサービス型ツール「Tableau」《クリックで拡大》

 2011年ごろ、Ivy Tech Community Collegeに勤めるITスタッフがセルフサービス型のBIツールと分析ツールの評価に着手したとき、多くの必須機能がリストアップされた。だが、その中に、最高品質の画像は含まれていなかった。

 米国インディアナポリスに本拠地を置く同校で最高技術責任者(CTO)を務めるリゲ・ヘンスリー氏は「グラフやチャート以外の要素も必要だった」と振り返る。

 最終的に、ヘンスリー氏のチームはPentahoのソフトウェアを使用することにした。外観という点では、Pentahoは他のBIツールほどデータの視覚化が魅力的にできないことを同氏は承知していた。だが、Pantahoのデータ準備機能と管理機能が、同校の多様なニーズや幅広いユーザー基盤に合っていた。

 セルフサービスはBIにおける事実上の標準となっている。そして、この分野には軽量で使いやすいツールが大量に進出してきている。ただし、BIツールをデータ戦略の中心に据える企業が増えるにつれ、人気の軽量ツールは全社規模の導入に必要な機能を網羅していないことが明らかになっている。

 「Tableau Softwareの『Tableau』は図表という観点で見ると良質なツールだが、こちらのニーズには合わなかった。データにアクセスする必要がある場合、Tableauは最適なツールではない」(ヘンスリー氏)

 Ivy TechがPentahoを導入した当時、ヘンスリー氏のチームは、総務部門、学資援助部門、資金調達部門など、学校全体で使用している40件もの異種データシステムを統合しようとしていた。その目的は、各部門の職員が各自でレポートをまとめられるようにすることだった。

 レポートにはドリルダウン機能を備えて職員がデータを取り出せるようにし、レポートのデータは全て審査可能にする必要があった。Pantahoはデータの移動時にメタデータを付与するため、レポートの情報を確認した人は、データがもともとあった場所や、データが閲覧中のレポートにどう組み込まれたのかを把握できる。

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