AIが使えるのはスマートスピーカーだけじゃない
“枯れた技術”をもよみがえらせる機械学習とAI、隣の職場の活用は?
人工知能(AI)と機械学習を、「実用的なエンタープライズアプリケーションを伴わないバズワード」として切り捨てるのは簡単だ。しかし、技術は着実に進化している。
AIや機械学習といえば、知覚を持つロボットがいつか人類の文明を破滅させるというSF的なイメージを抱く人は依然として少なくない。最近開催された2つのITカンファレンスでは、より現実的な未来の姿が示された。AIと機械学習システムがエンドユーザーコンピューティングに具体的なメリットをもたらすという未来だ。実際、そうした未来は既に始まりつつある。
Citrix Systemsの年次カンファレンス「Citrix Synergy 2017」では、セキュリティツール「Citrix Analytics Service」が多くの関心を集めた。AIと機械学習システムを使って、セキュリティ侵害の可能性があるユーザーの不審な挙動を特定し、自動で対応するツールだ。この最先端のツールを使えば、IT管理者はアプリケーションやネットワーク、データのセキュリティに関し、監視システムを使って自力で収集するよりも多くの洞察を得ることができそうだ。
ただ、Citrix Analytics Serviceはまだリリースされていない。AIの分野にはCitrix Systemsの先を行くベンダーもいる。例えばExtraHop Networksが開発した「ExtraHop Addy」は、機械学習を使ってネットワークトラフィックを監視し、大混乱を引き起こしかねない問題を事前に検知できるクラウドベースのサービスだ。
「デジタル変革」をテーマにCitrix Synergyよりも数日早く開催されたカンファレンス「ET6 Exchange」でも、関心はAIに集まった。このカンファレンスでは、デジタル変革という言葉を「最新のテクノロジーを駆使して従来のビジネスモデルを見直し、新たなビジネスモデルを創出する」という意味で扱っていた。
ET6 Exchangeでは、機械学習がデジタル変革で果たすべき役割についてベンダー各社が企業におけるさまざまなAI活用方法を紹介した。例えば通信費管理(TEM:Telecom Expense Management)は既に存在する“枯れた”技術だが、従業員のモバイルデバイスと携帯通信料の一部または全部を負担している企業にとっては極めて重要なツールだ。大規模な多国籍企業であれば、非常に複雑な業務となる。TEMベンダーのvMOXは複数の携帯キャリアのAPIをサポートし、機械学習を使って従業員の通信利用状況を分析し、その結果からコスト削減策を提案するサービスを提供している。
自律的でインテリジェントなコンピュータがいつか世界を支配するというのは、あり得ない話ではない。だが、それ以前に堅実的な視点においても、企業はAIと機械学習システムがもたらす多大なメリットを理解し、その活用方法について検討を始める必要がある。
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