「教育ITソリューションEXPO」から探る
「AIロボット」や「VR」が学校の教材に? 広がる教育市場の最新技術活用(1/3 ページ)
ビジネスへの応用が進む人工知能やドローン、VRなど新しい技術の活用が、教育分野でも広がる可能性がある。「教育ITソリューションEXPO」の展示内容から、教育機関向けIT製品の最新動向を追う。
いよいよ2018年度から、次期学習指導要領の移行措置期間が始まる。小学校におけるプログラミング教育の必修化や英語の教科化(小学校3、4年生は必修化)など、2020年の本格実施に向けて取り組みを開始する教育機関や自治体が多いだろう。
次期学習指導要領に基づく学びの実現に向けて、現場にはどのようなIT製品が必要になるのか。2017年5月17日から19日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された日本最大の教育専門展「教育ITソリューションEXPO」(以下、EDIX)には、例年通り全国から教育関係者が詰めかけた。第8回目となった今回は、前年と比べて180社増加の800社が出展。来場者は3日間で3万人を超えた。
中でも教育関係者らの注目を集めたのが、プログラミング教育やSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)教育関連の製品を展示した「学びNEXT」のゾーンだ。学びNEXTの展示内容を基に、今後教育機関に普及するであろう製品分野の動向を探っていこう。
英語で話し掛ける人工知能搭載ロボット
近年、金融や情報産業など多方面で人工知能(AI)技術の活用が進んでいる。最近では教育現場で活用できるAI技術活用製品も登場し始めており、学びNEXTでも来場者の注目を集めていた。その1つがAKAの英語学習ロボット「Musio」だ(写真1)。Musioは学習者が英語で話し掛けると、その答えを英語で返してくれる。
特徴的なのは、学習者が話し掛けた内容に対して、Musioがどのような答えを返すのかが事前にプログラムされていないところだ。「ディープラーニング」(深層学習)と呼ばれるAI技術をベースにした自然言語処理技術を利用し、紋切り型ではない自然な英会話を実現する(画面1)。
例えば“How are you?”とMusioに聞くと、“I'm fine, thank you”と決まり切ったフレーズを常に返すわけではない。“Not well”“I'm feeling lonely”などさまざまな答えを返すので、学習者はMusioの話す英語をしっかりと聞くことが求められる。Musioの話す内容が聞き取れない場合は、専用のアプリケーションを使うことで、リアルタイムにテキストで会話を確認することも可能だ。
言うまでもなく、英語のスピーキングは対人間で練習できる環境が望ましい。だが学習者によっては「人前で英語を話すのは苦手」「失敗するのが怖い」と感じることもある。知らない大人相手よりも、ロボット相手の方が親しみを持ちやすく、堂々と英語で話し掛けられる学習者もいるだろう。英語学習ロボットは、Musioの他にもカシオ計算機が販売中の「Lesson Pod」や、CAIメディアがクラウドファンディングを活用して開発中の「Charpy」などがある。新しいスピーキングの練習手段として、興味深い手段が登場したといえる。
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