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Windows 10の「Windows Hello」に「さようなら」を告げる企業の本音各機能の要不要を見極めてから導入を

「Windows 10」の機能や共通アプリには、企業にとって“注意すべき”ものもあるという。導入後、思わぬトラブルに見舞われた複数の企業のIT担当者が語る。

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さりげなく加わった新機能やアプリは、慣れないユーザーにとってパニックの種だ

 Windowsの新たなオペレーティングシステム(OS)、「Windows 10」にはメリットも多いが、企業にとっては不要な機能も幾つか存在する。

 Windows 10には、消費者向けと企業向けの機能が混在している。企業のIT部門は、まだその価値を認めるには至っていない。

拡大画面が元に戻らない

 特にユーザーをイライラさせている機能は、ユーザーが画面を拡大、縮小できる「拡大鏡」機能だ。ボストンのある大手法律事務所、同機能が原因のトラブルで、従業員からIT部門に問い合わせの電話が殺到しているという。同機能は、以前のWindowsから存在しているが、Windows 10ではより詳細なカスタマイズが可能で、高い画面解像度を利用できる。この点が、問題の発端だ。

 同事務所のCIOは、終業時、従業員がノートPCをシャットダウンせずにオフィスから持ち出し、自宅のモニターに再接続すると、画面の表示にトラブルが起こると話す。例えば、異常に拡大または縮小されたテキストが画面に並び、ユーザーがデバイスからいったんログアウトし、再度ログオンするまで、この問題は直らないという。

「この機能のせいで、イライラしている従業員もいる」と、同事務所のCIOは語る。

「Windows Hello」に「Goodbye(さようなら)」を告げる企業

 生体認証機能である「Windows Hello」も、組織によっては利用価値を生まない場合がある。

 「この機能は、私から見ればまさに“見掛け倒し”だ。実証試験済みのセキュリティ技術とは思えない。家庭で利用するなら素晴らしい機能の1つだが、オフィスでの利用価値はない」と、マサチューセッツ大学ローウェル校のシステム担当エンジニアリングディレクター、スティーブ・アタナス氏は話す。

 同機能は、指紋や虹彩などの生体因子を認証要素に加えることで、セキュリティを強化する。ただし、デスクトップPCやモバイルデバイスから認証情報が漏えい、改ざんされてしまう可能性がある。ひとたび盗まれてしまった認証用の生体情報は、パスワードとは異なり、リセットが効かない。

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