ビジネス向けファイル同期/共有ツールに注目すべき理由、最適の選択肢は?:コラボレーションが必要な時代だからこそ
生産性を向上し、企業のデータセキュリティを維持しようとする組織は、ビジネス向けファイル同期・共有(EFSS)ツールを検討すべきだ。まずは各ベンダーが提供するソフトウェアとその機能を理解しよう。
「Googleドライブ」などのパブリッククラウドサービスでドキュメントを共有すると、セキュリティリスクが高まる可能性がある。なぜならIT部門はパブリッククラウドに保存しているデータに対する制御がほとんどできないためである。しかし、この一般消費者向けの市場は、企業が求めているツールへと進化してきた。
ビジネス向けファイル同期/共有(EFSS:Enterprise File Synchronization and Sharing)ツールは、IT部門が求める高度な安全性を確保しながら、一般消費者向けと同様の共有の簡単さとコラボレーションの利便性をユーザーに提供する。このEFSSツール市場に、今からすぐにでも飛び込もうと検討している組織は、次のことを正確に把握する必要がある。
- ユーザーは誰になるのか
- ユーザーがいつアクセスする必要があるのか
- ユーザーはどこからEFSSツールにアクセスするのか
- ユーザーがEFSSツールをどのように利用するのか
これらの要素を考慮に入れることでITプロフェッショナルは、自社の組織に適しており、ユーザーとIT部門のニーズにも対応できるEFSSベンダーに焦点を絞りやすくなる。
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EFSSとは何か
「Dropbox」や「Googleドキュメント」などのサービスを一般消費者向けに提供したことで、ファイル共有市場は立ち上がった。一般消費者への売り込みポイントは、クラウドに接続できる環境さえあればいつでも、保存したドキュメントにアクセスできることであった。ストレージ容量の増加に伴い、費用も比例して増加する状況で、企業はファイル共有サービスを収益化し始めた。これらの企業は、このストレージ容量の無制限化への移行に注目し、「Box」を提供するBox社などの企業はその分野への取り組みを始めた。現在、企業向けに利用可能な製品が増えている中、従業員は認証要件をクリアしていれば、いつでもドキュメントにアクセスが可能だ。
EFSSサービスは、幾つかの方法で組織の既存のシステムに統合が可能だ。1つ目はパブリッククラウド経由で、これはBoxや「Dropbox Business」などのサービスが利用する方法だ。パブリッククラウドは、簡単で、大抵の場合に初期導入コストが最も低いため、組織は一般にパブリッククラウドを選択する。しかし、それはEFSSプロバイダーの手にセキュリティを委ねるという代償を払うことになる。2つ目はより多くのコストがかかるが、プライベートクラウド経由での統合である。IT部門は自らデータセキュリティの管理が可能となる。3つ目のオプションは、Citrix Systemsの「Citrix ShareFile」と、Egnyte社が提供するオンプレミスとクラウドコンポーネントのハイブリッド環境を構築することだ。
なぜ企業はEFSSを使用すべきなのか
多くの従業員がモバイルデバイスを職場で利用するようになり、その技術に適応していない企業は後れを取るだろう。EFSS市場は、新しいコラボレーションツールとともにビジネス向けとして発展し、以来、今日のワークフローには不可欠なツールとなっている。2017年にTechTargetが実施した調査によると、EFSS市場への投資を検討している企業のわずか17.5%のみが、ドキュメント共有やコラボレーションのためのツールを未導入であった。
企業がEFSSを求める理由のトップ5から引用すると、52%がコラボレーションツールの必要性の高まりを挙げた。他の組織は、ファイル共有時のセキュリティ強化と共有ファイルへのアクセスの簡便化が必要だと述べた。企業が検討している第4、第5の要因は、モバイルデバイスからのドキュメントへのアクセスとファイルの集中管理だ。EFSSが提供するコスト、実装およびIT部門の関与に関連する柔軟性により、建設、ヘルスケア、ジャーナリズムなどの多くの業界でEFSS市場が拡大した。
EFSS市場の主要プレイヤーは
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