「Snap」により10万台規模のIoTデバイス更新も可能
オープンソースOS「Ubuntu Core」でさらに進むIoTデバイスの活用(1/2 ページ)
IoT向けオープンソースOS「Ubuntu Core」はIoTデバイスの管理に1つの解決策をもたらした。多種多様なIoTデバイス全ての対応はまだ難しいが、当面の課題を解決できる素晴らしい機能を持っている。
LinuxベンダーのCanonicalが提供するオープンソースOS「Ubuntu Core」は、同社のLinuxディストリビューション「Ubuntu」をモノのインターネット(IoT)デバイス向けに最適化した軽量版Linux OSだ。高度なセキュリティが特徴の「Snap」と呼ばれるLinuxアプリケーションパッケージを使用し、リモート環境からのアップデートを可能にする。
開発者は従来のUbuntuと同じカーネルとライブラリとシステムソフトウェアを用いて、Ubuntu PC上で他のアプリケーションと同じようにSnapパッケージを開発できる。違うのは、IoT向けであるという点だけだ。
IoTデバイスはサーバやデスクトップPCと比べてCPU性能が劣り、メモリ容量も少ない場合が多い。「私たちは、IoT向けにUbuntuの“最小限のディストリビューション”とでも呼ぶべきバージョンを開発した」とCanonicalのデバイス/IoT担当バイスプレジデントを務めるマイク・ベル氏は語る。このUbuntu Coreが素晴らしいのは、デスクトップやクラウドで使うのと同じ技術をIoTデバイスにも使用できる点だ。
CanonicalはIoT向けにUbuntuを単に軽量化したわけではなく、まずIoTの本質的な課題をしっかりと見極め、クラウドとの違いをよく確認したという。
ベル氏らが基本理念の1つとして検討したのは、セキュリティだったという。サーバの場合は通常、各プラットフォームのセキュリティに注意を払うが、IoTデバイスは物理的な攻撃に対しても脆弱(ぜいじゃく)だ。「攻撃者はIoTデバイスの電子システムに直接アクセスできる。敵の手中にあるということだ」とベル氏。そこでCanonicalはコンテナ技術を用いて、基本的にはアプリケーションをコンテナにパッケージ化できるようにした。同社はこのパッケージシステムをSnapと呼ぶ。コンテナ型は従来型のアプリケーションよりも強固であり、IoTデバイスが敵の手中に渡ったとしても、少なくとも以前と比べて迅速かつ組織的な方法であらゆる脆弱性に対処可能だ。
Snapパッケージはアプリケーションのアップデートをワイヤレスで配布する他、IoTデバイスで実行するアプリケーションの本体を含む。
「デバイスメーカーにとって重要課題の1つは、デバイスを最新の状態に保つことだ。それを当社が引き受ける」とベル氏は語る。開発者はCanonicalが用意するソフトウェアリポジトリに最新版のバイナリ(ここでは更新プログラムの意味)を置くだけで、該当のSnapパッケージを実行する全てのデバイスにアップデートを適用することが可能だ。「IoTデバイスを5~10万台規模で導入している企業もあるだろう。そうした企業に代わって、私たちがそのソフトウェアスタックやOSのアップデートを管理する」とベル氏は語る。
これはUbuntu Core独自のセールスポイントであり、IoT向けのその他の競合OSとの大きな差別化要因の1つでもあるとベル氏は胸を張る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
市場調査・トレンド
[AvePoint Japan株式会社] SCS評価制度の死角は“SaaSの中” クラウド標準機能では届かない領域とは? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 5分で分かる、「オープンソースCMS」比較ガイド -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 1つのアプリを各国で運用 多言語モバイルアプリを簡単に開発・導入できる方法 -
製品資料
[ニュータニックス・ジャパン合同会社] 複雑化するKubernetes運用、VMとコンテナの二重管理を解消する方法は? -
市場調査・トレンド
[アルプス システム インテグレーション株式会社] 急増する高度なフィッシング詐欺 先回りしてブロックするには何が必要?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHPはそもそも必要か? 脆弱性で問われる自社サイト安全性と保守負担のバランス
-
2
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
3
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
4
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
5
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
6
金融・通信で情報漏えいが続出 IPAとJPCERT/CCが情シスに求める緊急点検
-
7
「有線LAN環境」に関するアンケート
-
8
京王電鉄・東京メトロの被害から学ぶ境界防衛 ITの侵害はどこまで波及するか
-
9
「業務PC/ワークステーション」に関するアンケート
-
10
「セキュリティ運用と侵入後の初動防御」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
5
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
6
「EDR」選定ガイド:比較・検討フェーズで整理すべきポイントを解説
-
7
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
MDMだけでは防げない? Appleデバイスに潜む5つのセキュリティギャップ
-
10
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー