RPAソフトウェア導入を成功させる「3つのアプローチ」とは:IT部門の管理が不要で成功した例もある(1/2 ページ)
RPA(ロボティックプロセスオートメーション)導入におけるIT部門の役割は、プロジェクトの範囲や企業のビジネスモデルに応じて変わる。本稿では、さまざまな企業のRPA導入事例を紹介する。
金融機関Fannie Mae(連邦住宅抵当公庫)の経営陣は、当初、RPAソフトウェアを使ってプロセスを自動化すれば、職員が価値の高い作業に時間と労力を注ぎ込めるようになると考えていた。だが、期待するROI(投資対効果)をRPAソフトウェアから得られるかどうか自信がなかったという。そう語るのは、同公庫で証券および運用テクノロジー部門のディレクターを務めるモナ・カーン氏だ。そこでFannie MaeはRPAベンダーを評価することから始めた。このとき、コストやタスクを自動化するソフトウェアロボットの構築と導入にかかる時間、必要な統制、ハイブリッドクラウド環境内でのRPAソフトウェアの動作といった要素を検討した。
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導入を決めたのは、Blue Prismが提供するRPA基盤だった。基盤決定後、Fannie Maeはさらに別のベンダーと契約し、このRPAテクノロジーを統合するためのサポートを受けることにした。
「一から導入を始めなくても済むように、RPA導入経験のある企業の知識を活用したかった」(カーン氏)
Fannie Maeはシステムインテグレーション(SI)ベンダーの協力を得て、一戸建て住宅ローン業務分野の審査と通知のプロセスを自動化した。これは多くの人手を必要とするプロセスで、職員がチームを組み、36の手動工程を5つの異なるアプリケーションを使って進めていた。作業完了までにかかる時間は毎日6時間に及んでいた。
現在では、同じ審査と通知のプロセスを毎日30分もかけずに完了できるようになっている。
この最初のプロジェクトは、2016年末に概念実証に着手し、2017年前半に運用を開始した。Fannie Maeが得た成果は、面倒な手動プロセスの自動化だけにとどまらない。RPAの活用方法を探る中で、組織が直面している課題の一端を見つけ、必要なベストプラクティスを理解できた。このプロジェクトから得られた洞察が、さらに多くのbotを開発して他のプロセスを自動化するためのRPA研究拠点を設置する基盤となった。
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