徹底比較:「Exchange Online」と「Exchange Server」 企業が選ぶべきなのはどちらか:「常に最新機能が使える」はメリット? デメリット?
クラウドの隆盛は周知の事実といってもよい。企業は、オンプレミス基盤からクラウドへの移行が正しい選択かどうかを、どう判断すればよいのだろうか。
オンプレミス環境で「Microsoft Exchange Server」(以下、Exchange Server)を使っている多くの企業も、クラウドの魅力からは逃れられない。膨大な数の企業がクラウドサービスである「Microsoft Exchange Online」(以下、Exchange Online)とオンプレミス基盤であるExchange Serverを比較検討するだろう。クラウドに移行する理由はたくさんあり、オンプレミスにこだわる理由も同じようにたくさんある。
併せて読みたいお勧め記事
Exchange Onlineの特徴とは
- 「Exchange Online」の便利で柔軟なグループ機能、スケジュールをクラウド化するメリット
- 「Exchange Online」と「Gmail」ってどう違う? それぞれの特徴的なメール管理方法とは
Exchange Serverの気になる動向
- 「Office 2019」の試したくなる新機能 2018年後半登場の新バージョンは期待できる?
- 「Office 2019はWindows 10でしか使えない」問題に隠れた“もう1つの衝撃”とは
- IoTで職場環境をスマート化 小さな実験から始める5ステップ
クラウドの方が望ましいのかどうかを判断するには、詳細な分析が必要になる。私はほぼこの8年間、あらゆる規模の組織の「Office 365」(Microsoft OfficeのSaaS型クラウドサービス)への移行を手掛けてきた。その過程で、クラウドに移行する動機と、現状を維持する動機の両方が詳しく分かるようになった。
本稿では、Exchange OnlineとExchange Serverを比べる議論を掘り下げ、両者の違いを調べて、特定の分野でどちらが優れているかを説明する。
Exchange Onlineの方が低コスト?
多くの場合、Exchange Onlineの最大のセールスポイントはコストだ。Exchange OnlineとExchange Serverはさまざまな点で異なっているため、同一条件で比較するのは難しい。まず、幾つかの点に注目する必要がある。
第1の考慮点は、Exchange Serverを稼働させるサーバをどれだけの期間、維持するかだ。サーバを3年ごとにアップグレードすると、そのコストはExchange Onlineの料金を上回るだろう。だが、サーバを10年間使い続けるとすれば、Exchange Onlineよりかなり安上がりになる。
ただし、Exchange Serverには、関連するコスト要素が多い。ハードウェア購入、電力、データセンターのスペース、修理といった具合だ。
これらの点を考え合わせると「Exchange OnlineとExchange Serverのどちらが経済的か」という問いの実際の答えは「クラウド型の方が、常にコストは安い」というMicrosoftの回答よりもはるかに複雑になる。
当然のことながら、Microsoftとしては、できるだけ多くの企業がOffice 365のサブスクリプションを契約する方が、利益が大きくなる。
Exchange Onlineの方が信頼性は高い?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.