レガシーな情報システムと決別するために
ワイヤレスネットワークが後押しする医療機関のIT刷新(1/2 ページ)
ある長期ケア企業がワイヤレスネットワークテクノロジーと「Microsoft Active Directory」に注目している。ITモダナイゼーション計画を立ち上げ、自社の成長を促すためだ。
ここ10年、医療システムは変革が進み、飛躍的な進歩を遂げ、入院中の患者や長期療養施設にいる患者に特殊なケアを提供できるようになった。カナダの各地に施設を擁するSchlegel Villagesが、同社の長期ケア住宅や老人ホームを地域社会やコミュニティーと呼ぶ理由もこの変革にある。
19カ所のコミュニティーに4800人の従業員を擁するSchlegel Villagesも、テクノロジーの変革を経験している。電子カルテ(EHR)を導入し、ポイントオブケア(Point-of-Care)でのモバイルデバイス増加に対応するため、ワイヤレスネットワークテクノロジーを更新している。このITモダナイゼーション計画には、Hewlett Packard Enterprise(HPE)の子会社であるAruba Networks製の1600個のアクセスポイントと約70台のHPE製スイッチが含まれる。それにより、コミュニティーでは医療スタッフ、入居者、訪問者が車を駐車させた瞬間からWi-Fiにアクセスできるようになる。
このシステムの導入は2018年半ばに完了する見込みだ。完了したら、Schlegel Villagesの全ての医療チームが「iPad」などのApple製デバイスを使用して、リモートで医療記録にアクセスできるようになる。また、リアルタイムで情報を更新したり共有したりすることも可能になる。
さらに、このITモダナイゼーションではActive Directoryへの移行も行う。IT部門がユーザーデータの認証と管理を効率化できるようにするためだ。Schlegel VillagesでIT部門のディレクターを務めるクリス・カード氏によると、どちらの計画も柔軟で拡張性の高い最新のインフラを構築するという同社の志を示しているそうだ。Schlegel Villagesの多忙なIT部門にとってこうした計画はどのような意味を持つだろうか。また、これらのテクノロジーアップグレードによって組織全体に文化的な変化はもたらされるだろうか。本稿ではカード氏にインタビューし、そうした疑問に答えてもらった。
ワイヤレスネットワークテクノロジー、Active Directory、iPadの統合について考えを巡らせていないときのカード氏は、壮大なファンタジーを執筆し、自身のオタク的な部分を3人の幼い娘と熱心に共有している。その娘は全員、今や映画「スター・ウォーズ」のファンとなりフォースに導かれている。
このインタビューは抜粋になります。
――Schlegel Villagesが新しいワイヤレスネットワークテクノロジーによって実現していることを教えてください。
クリス・カード氏(以下カード氏) 当社ではPointClickCareのポイントオブケアインフラ「PointClickCare」を導入することを考えていた。これはクラウドベースのEHR(ソフトウェアとサービス)だ。まず、インターネット接続をアップグレードする必要があった。そのため、建物の光ファイバーを全て専用光ファイバーに変えた。次に、高密度で堅牢なWi-Fiアクセスポイントを導入した。この作業は97%ほど完了している。
PointClickCareには「Skin and Wound」というアプリケーションがある。入居者がけがをしたら、医療スタッフはiPadを使用してその傷の写真を撮影し、アップロードすることで治癒経過を確認できる。また、Wi-FiとiPadを使うことで医療チームのモバイル性が向上している。以前ならメモを取り、それを図表に書き込んでからナースステーションに戻り、その情報をシステムに入力しなければならなかった。今では、iPadのおかげで入居者との交流が増えている。ベッド脇でデータを入力できる。
次は、Active Directoryとワイヤレスネットワークを統合することを計画している。それにより、Active Directory接続を使用してユーザーがWi-Fiを認証できるようになる。
――Active Directoryで実現しようとしていることを教えてください。
カード氏 当社の現状のシステムではNovellの「Novell GroupWise」と「Novell eDirectory」を運用しているが、これらは旧式のものだ。これらを運用から外してActive Directoryに移行している途中だ。
Novellでは、特定の機能をエンドユーザー全員にプッシュするには別の製品をインストールしなければならない。Active DirectoryにはMicrosoftのグループポリシーが自動的に含まれる。そのため、完全に再インストールする必要がない点が要素としては非常に大きい。これによりプロセスが速くなる。
Microsoftの方が整然としていて、階層的な構造を用意している。Active Directoryの実装によってインタフェースがすっきりしたものになるため、ITモダナイゼーションが促されることになる。1つのフォルダ内に1000個のファイルが入っているところを考えてみてほしい。やろうとしているのは、それを全て整然とフォルダに細分化することだ。例えば、セキュリティグループフォルダ、配布グループフォルダ、ユーザーグループフォルダという具合だ。
当社では最近、1つ目のコミュニティーでActive Directoryの実装を完了した。この変化に最初は少し不安そうなユーザーもいた。だが、今やActive Directoryに付属している強力なツールの一部を利用するようになっている。そのため、Active Directoryによって業務が容易になることにワクワクする様子も見られるようになった。
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