特集/連載
「ディザスタリカバリー(災害復旧)計画」を見直すべき4つの理由:増え続けるデータをどう扱えばいいのか
技術面の進化によってディザスタリカバリー(災害復旧、DR)に関する一般的な負荷は軽減されてきたが、財源、セキュリティといった、より戦略的な面では、さらに見直しを図る必要がある。
DRの分野ではここ数年で幾つかの興味深い変化があった。クラウドが普及したことで、革新的なDRの手法を新たに利用できるようになり、それと同時にクラウド自体を保護の対象にする必要性も生じた。こうした変化はあったが、多くの点でDR計画は未成熟だ。企業はまだ有事の際のリスク分析を十分に実施できておらず、DR計画のテスト、訓練もできていない。そうした中で保護すべきデータは増え続けている。企業のIT部門はそのペースに付いていけていない。
2019年にDR計画で重視すべきことを以下に示す。
併せて読みたいお薦め記事
DRの基礎知識
「クラウドでバックアップ」を実現するには
- バックアップ/DRで「システムの切り替え先にクラウドを使用する」8つの方式
- クラウドをバックアップ/DRに活用するには? 目的別に要件を固める
- 痛い思いをしてAmazon S3障害から得た教訓、「クラウド利用時のDRは大丈夫?」
1. DRで重要度を増すセキュリティ
DRは通常、データ、アプリケーション、システムなどにおいて生じた何らかの損失を回復させることをいう。ところが、最近はこれまで関わりのなかったセキュリティチームとDRチームがコミュニケーションを密に取るケースが増えている。コンプライアンス要件に対して、またマルウェア攻撃などの外部攻撃によって被害を受けた場合に備えて、IT部門は正常な状態へ復旧させる適切な手法、機能を持っておかなければならないためだ。セキュリティチームに求められるのは、DR戦略の担当者に対して、特定のエンドポイント、データ、アプリケーション、ディレクトリを復旧させることの重要性を理解させ、復旧の目標を策定させるよう動かすことだ。
2. 財源、資金調達
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.