増え続けるデータをどう扱えばいいのか
「ディザスタリカバリー(災害復旧)計画」を見直すべき4つの理由
技術面の進化によってディザスタリカバリー(災害復旧、DR)に関する一般的な負荷は軽減されてきたが、財源、セキュリティといった、より戦略的な面では、さらに見直しを図る必要がある。
DRの分野ではここ数年で幾つかの興味深い変化があった。クラウドが普及したことで、革新的なDRの手法を新たに利用できるようになり、それと同時にクラウド自体を保護の対象にする必要性も生じた。こうした変化はあったが、多くの点でDR計画は未成熟だ。企業はまだ有事の際のリスク分析を十分に実施できておらず、DR計画のテスト、訓練もできていない。そうした中で保護すべきデータは増え続けている。企業のIT部門はそのペースに付いていけていない。
2019年にDR計画で重視すべきことを以下に示す。
1. DRで重要度を増すセキュリティ
DRは通常、データ、アプリケーション、システムなどにおいて生じた何らかの損失を回復させることをいう。ところが、最近はこれまで関わりのなかったセキュリティチームとDRチームがコミュニケーションを密に取るケースが増えている。コンプライアンス要件に対して、またマルウェア攻撃などの外部攻撃によって被害を受けた場合に備えて、IT部門は正常な状態へ復旧させる適切な手法、機能を持っておかなければならないためだ。セキュリティチームに求められるのは、DR戦略の担当者に対して、特定のエンドポイント、データ、アプリケーション、ディレクトリを復旧させることの重要性を理解させ、復旧の目標を策定させるよう動かすことだ。
2. 財源、資金調達
半数以上の企業では、サイバー攻撃のリスクについては明確に認識しているものの、今後1年以内にDRにおける予算を増やす計画は持っていない。2019年はDRに用いる財源が増える年にはならないだろう。そのため、DR計画を強化するには、既存の業務環境を効率化する方法を見つけるか、クラウドサービスなど費用対効果の高いサービスを採用する必要がある。
3. 2次または3次のバックアップ用クラウドストレージが不可欠
ほぼ全ての大手クラウドストレージベンダーが、ホット/ウォーム/コールドのクラウドストレージ製品を提供している。しかし、大半の企業は、DRのデータ復旧に関して「すぐに必要になるデータか否か」という観点だけしかもっていない。DRへの関心が高まるにつれて、企業はコストまで詳細に評価するようになり、復旧の目的に基づいて、ストレージをホット/ウォーム/コールドで使い分ける必要性を認識するようになるだろう。クラウドサービスを使用していない場合は、プライマリーバックアップストレージとしてSSDを使用し、セカンダリーバックアップストレージに従来のHDDを使用する。こうすることで、復旧対象のデータセットを復旧させるまでの時間を許容範囲内に収めつつ、ストレージにかかるコストを削減できる。
4. クラウドベースのアプリケーション保護の強化
クラウドが登場して10年以上になる。この間、組織は「Salesforce」や「Office 365」といったクラウドベースのアプリケーション運用に重点を置いてきた。こうしたクラウドベースのアプリケーションは事業継続に寄与する高可用性の特徴を有している。その特徴はあるものの、DRによってビジネスのあらゆる部分を常に復旧可能にしておく能力が重視されるようになり、企業はデータ保護の責任がクラウドサービス側にはなくユーザーである企業側に存在するという認識に至っている。その結果、企業はクラウドベースのアプリケーションのデータを保護するために、サードパーティーのクラウドバックアップベンダーに協力を求めるようになってきた。
企業がDR計画におけるコストと効果のバランスを最適化するためには、賢く取り組む必要があることは明らかだ。2019年、企業は災害によるデータ損失を回避するために、増加を続けるデータを、予算を増やさずに保護する方法を見つける必要がある。その方法を模索することは、企業にとっては今後の対策に向けたいい準備になる。すなわち、現在のDR計画を評価し直し、どこをどのように強化、拡大すればいいのかを考え、どの部分に新しい技術を導入すれば現在のDR計画を改善できるのかを考えることにつながる。
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