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今すぐ始められる? 「取っているだけのバックアップ」からの脱出方法:「うちのバックアップは完璧です」という企業がはまるワナ【第2回】
見落としがちなバックアップの課題。解決には何が必要なのか? ストレージベンダーに解決のヒントを聞いた。
前回(「取っているだけ」のバックアップに意味はあるか)は、バックアップで陥りがちな課題について解説した。取り上げたのは、以下の課題だ。
- データを保持するだけでなくアプリケーションによって適切な「データの静止点」を作る必要がある
- データだけでなくシステムも含めたバックアップが必要になる
- バラバラなシステムで個別最適化されたバックアップの運用は、複雑になる
本稿はこれらの課題を解決するヒントについて、幾つかのストレージベンダーの話を基に紹介する。どのような機能やサービスが課題解決につながるのか、製品選定の際に参考にしてほしい。
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バックアップに関連する課題
- 「取っているだけ」のバックアップに意味はあるか
- ランサムウェア被害で浮上した「データはテープにバックアップして隔離」の重要性
- HDDとの違いは? バックアップでもフラッシュストレージを使った方がいいケースを解説
戦略的バックアップの重要性を考える
データとシステムは「リードオンリーの仕組み」で適切にバックアップ
身代金要求型マルウェアの「ランサムウェア」による脅威が記憶に新しい。ランサムウェアはデータを不正に暗号化したり、端末を勝手にロックしたりする。データを暗号化するタイプの場合、攻撃者は被害企業に対して、復号のために「身代金」を支払うよう要求する。
例えばあるユーザー企業がランサムウェアの被害を受けた際には、ランサムウェアがサービス提供に関連するシステムのデータを暗号化。ユーザー企業は一定時間、サービスが提供できなかったという。だが、そのユーザー企業は攻撃者の要求をのまず、自力での回復を決断。自社に導入していたストレージ製品の機能を利用することでバックアップからのデータ復旧を実現した。
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