事例で分かる、中堅・中小企業のセキュリティ対策【第10回】
ランサムウェア被害で中小企業が倒産? 絵空事ではない事態に備える「バックアップ」(1/3 ページ)
ランサムウェア「WannaCry」が世界中にもたらした混乱を考えると、中小企業がサイバー攻撃によって倒産するような事態はいずれ本当に起こるかもしれません。まずはデータのバックアップを検討しましょう。
連載について
情報セキュリティ対策をしたくても、ITに詳しい人が社内外にいなくて困っている中堅・中小企業は多いのではないでしょうか。「知識不足」と「ヒト、モノ、カネ不足」の問題が目の前にあっても、対策は待ったなしの状況。予算を握る上司を説得するために、サイバー攻撃の事例を紹介しながら、その効果的な対策につながる情報セキュリティ製品を分かりやすく解説します。
中小企業がサイバー攻撃によって倒産するような事態、名付けるなら「サイバー攻撃倒産」が本当に起こるかもしれない――2017年5月に発覚した、世界規模に及ぶランサムウェア(身代金要求型マルウェア)の「WannaCry」の攻撃パターンや感染拡大パターンを見て、筆者はそう感じざるを得ませんでした。
WannaCryは同一ネットワーク内の、脆弱(ぜいじゃく)性のあるPCへの攻撃を仕掛ける、ネットワーク拡散(ワーム)型のランサムウェアです。今までのランサムウェアは、1台の端末、感染した端末に登録(マウント)されたNAS、あるいはUSBを介して直接接続したHDD内のデータを暗号化するものであり、同一ネットワークの端末に拡散して複数の端末を軒並み暗号化するような挙動のマルウェアではありませんでした。筆者はWannaCryの登場により、被害遭遇時のダメージレベルが上がってしまったと感じました。
このWannaCryの被害はニュースや新聞記事などで大規模に取り上げられたので、コンピュータの知識をさほど持っていない中小企業の経営者の中にも「ランサムウェア/身代金要求型マルウェア」というキーワードを耳にした人が増えたようです。
だからといって「うちの会社は大丈夫だろうか。すぐに手を打たないと」と、情報システム担当者に現状把握の指示を出したり、対策の指示を出したりといった、具体的行動に移した中小企業の経営者はどれだけいるでしょうか。
併せて読みたいお薦め記事
ランサムウェア「WannaCry」の予防策
徹底解説:ランサムウェアの脅威と対策
ある住宅不動産業の経営者は、自身がコンピュータにさほど詳しくないにもかかわらず、今回のWannaCry問題を自分ごととして受け止め、具体的な対策の指示を出していました。情報価値の重要性を認識しているトップがいることで、従業員が安心感を持って働くことができるだろう、と感じたエピソードです。
一方で、残念ながらこういった情報に疎い中小企業の経営者は、このような世界的なサイバー攻撃の問題に触れても自分ごととして捉えることができず、何もしないケースもあるのではないでしょうか。
筆者がサイバー攻撃倒産を懸念するのは、情報価値の重要性を認識しているにもかかわらず、いまだに「PCはよく分からないから現場に任せている」「うちは被害に遭わないだろう」と思い込んでいる経営者に出会うケースがあるためです。
言うまでもなく、今後ますます情報の資産価値は高まっていきます。これからも情報価値そのものが低下することはないはずです。実際に、財務システムや販売管理システムといった基幹システムが突如壊れて使えなくなると、業務そのものが動かなくなってしまうほどの経営インパクトがあることは、容易に想像できるでしょう。
たとえ部分的なシステム破損だとしても、それがワークフローの一部に組み込まれているようなシステムであれば、一気に業務効率が落ちてしまうのみならず、全く仕事にならなくなると考えられます。それほどに、ITに頼っているのが今のビジネスにおける実態です。
ランサムウェアのようなデータ破壊型のマルウェア被害は情報喪失の一例です。それ以外にもわれわれの身の回りでは、常に情報喪失リスクが付きまとっています。
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事例で分かる、中堅・中小企業のセキュリティ対策
情報セキュリティ対策をしたくても、ITに詳しい人が社内外にいなくて困っている中堅・中小企業は多いのではないでしょうか。「知識不足」と「ヒト、モノ、カネ不足」の問題が目の前にあっても、対策は待ったなしの状況。予算を握る上司を説得するために、サイバー攻撃の事例を紹介しながら、その効果的な対策につながる情報セキュリティ製品を分かりやすく解説します。
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