業務システム選定、ユーザー部門が「イケてるUI」に惑わされてしまうのはなぜ?:マンガで解説:ありすぎて泣けるIT課題
「古めかしいUIよりもモダンでイケてるUIの方が良いシステムのように見える」という意見は、業務システムの選定という場面では慎重な判断が必要かもしれません。
新たに導入するにしても、以前のシステムから入れ替えるにしても、業務システムを導入することは企業にとって非常に工数がかかるものです。とはいえ現在はさまざまなベンダーが多種多様な製品やサービスを提供しているため、ユーザー固有の事情に合わせた機能を必要としない限り、フルスクラッチでシステムを構築することはそれほど多くはありません。従って企業がシステムに必要な機能要件を洗い出した後は、
- 機能要件を基にRFP(提案依頼書)を作成する
- システムインテグレーター(SIer)やベンダーに提案を依頼する
- 機能要件を満たす製品を提案してもらう
- 提案された製品を比較し、どの製品を導入するか選定する
という流れでシステム導入プロセスを進めることになります。
システム選定の要素とは
システムの選定に当たっては「提示した要件を満たしているかどうか」が基本的な判断基準になります。ただし近年はIT製品の市場が成熟したことで、個々の製品の機能差が縮小しており機能要件で明確な差をつけることが困難なことも珍しくありません。そうなると機能要件以外の要素でシステムを選定する必要が出てきます。例えば次のような選定要素が考えられます。
- ベンダーのブランド力
- 導入実績
- 価格
- サポート体制
- 機能要件以外の付加機能
ただしこれらの要素のうち、ベンダーのブランド力、導入実績、サポート体制については大手企業が強いものです。一方で価格については、大手に追随するサードパーティーベンダーが大手に対抗するために価格優位性を武器とすることがあります。そのため「安心と実績」「価格」のどちらを取るかという判断が必要となります。残る「機能要件以外の付加機能」については、よほどのメリットがない限り、あくまで参考という位置付けとなるでしょう。
一方でユーザー部門にとっては、上記の要素よりもユーザーインタフェース(UI)が重要であることを認識しておいた方がよいでしょう。
このコラムについて
ひょんなことから人間社会の中堅企業に就職した魔法使い「テクたん」。彼女は魔法の国から来たので、何でもかんでも魔法で解決しようとします。しかしIT業界の皆さんはよくご存じの通り、どんな難しい問題も一気に解決できる「銀の弾丸」はないのです。このコラムでは、IT導入でぶつかる「あるある」な悩みを魔法以外の方法で解決するヒントを紹介します。
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