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Intel、AMDではなく「Arm」がスパコン用プロセッサで勢力を伸ばす理由:スパコン市場とプロセッサ【前編】
スーパーコンピュータ用のプロセッサの主流はIntelとAMDだが、これにArmが食い込もうとしている。存在感を高める中国企業の出方次第で、この市場の形勢は一気に変わる可能性がある。
世界で最も高性能なスーパーコンピュータ(スパコン)の上位500台に占める台数で、中国が間もなく5割に達しそうだ。
10年前の2009年は、世界のスパコンの性能ランキング「TOP500」にランクインした中国製の台数は21台にすぎなかった。2019年6月に発表されたTOP500では、219台もの中国製のスパコンがランクインした。この増加ペースが続けば、2021年には中国製のスパコンが占める台数はTOP500全体の半数に達する見通しだ。
中国は、国産のチップ(集積回路を搭載した半導体基板)製造技術と米国ベンダーのプロセッサを使用してスパコンを構築している。TOP500にランクインする高性能なスパコンに搭載されるプロセッサとしては、IntelとAMDが主流だが、Armが近い将来、その存在感を高める可能性がある。これはArmがNVIDIAと提携したためだ。
NVIDIAは2019年6月に、ArmアーキテクチャベースのCPUを自社のGPU(グラフィックス処理プロセッサ)で利用できるようにすると発表した。NVIDIAのGPUは、スパコンで広く使われている。2019年6月のTOP500のトップ10を占めるスパコンのうち5台が、NVIDIAのGPUを採用している。GPUは負荷の高い数学の計算を、CPUより高速に、かつ低コストで処理できる。
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