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メルカリが写真検索に「Amazon EKS」を活用 マネージドKubernetesの使い勝手はマルチクラウド構成を実現

フリマアプリ「メルカリ」の写真検索機能は、マネージドKubernetesである「Amazon EKS」を採用している。どのように活用し、どのような使い勝手なのだろうか。

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 メルカリ社はフリーマーケットアプリケーション(以下、フリマアプリ)の「メルカリ」に写真検索機能を導入している。この機能はマシンラーニング(機械学習)などのAI(人工知能)技術を取り入れ、スマートフォンから写真を読み込むことで、メルカリのアプリ内にある同じ商品や似ている商品を検索できるものだ。メルカリ社はこの実現に当たって、バッグエンドインフラの構成要素として、Amazon Web Services(AWS)の「Amazon Elastic Kubernetes Service」(Amazon EKS)を採用した。Amazon EKSは、コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」のマネージドサービスだ。

 2019年6月開催のイベント「AWS Summit Tokyo 2019」に、メルカリ社のエンジニアである中河宏文氏が登壇。Amazon EKSを使った写真検索機能の実現方法やマネージドKubernetesとしてのAmazon EKSのメリット、デメリットなどを語った。

マシンラーニングを取り入れたメルカリの写真検索

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メルカリ社の中河宏文氏

 写真検索機能は、メルカリのアプリからカメラを起動して撮影した画像を手掛かりとして、同じかよく似た商品を探し出す。これを使うことで、ユーザーはメルカリに出品されている膨大なアイテムの中から欲しい品物を的確に見つけ出せる。中河氏は「マシンラーニングによって色や形を瞬時に解析できる」と説明する。

 中河氏によれば、写真検索の基本的な仕組みは次のようになっている。

  • ディープラーニング(深層学習)で用いられる多層のニューラルネットワークであるディープニューラルネットワーク(DNN)を使用して、商品画像から特徴ベクトル(画像に関する複数の特徴を一つにまとめたデータ構造)を取得する
  • 取得した特徴ベクトルを、特徴がよく似ている画像を探し出す手法である近似最近傍探索(ANN:Approximate Nearest Neighbor)のインデックス(画像を探し出すためのデータベース)に追加し、画像インデックスを構築する
  • 画像検索時は同じく商品画像からDNNを介して特徴ベクトルを取得し、ANNのインデックスから検索する

Amazon EKSを活用した写真検索機能の実装

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