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無線LAN新規格「IEEE 802.11ax」の標準化が6年たっても終わらない理由:「LAN」新規格の動向【前編】
IEEEは新規格の標準化に何年もの時間をかける。無線LAN新規格の「IEEE 802.11ax」は、ドラフト版に準拠した製品が登場しているが、標準化は完了していない。なぜそれほど時間がかかるのか。
LAN(ローカルエリアネットワーク)の規格「IEEE 802」の開発が始まったのは1980年のことだ。それ以来、業界標準化団体IEEE(米電気電子技術者協会)は約40年にわたってさまざまなイーサネットおよび無線LAN規格を世に送り出してきた。
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IEEEの委員会が新規格を承認するまでには何年もの期間を要する。「規格に必要な仕様を見極めることに時間をかける必要があるためだ」と、LAN規格の標準化を担当するIEEE 802委員会のチェアマンを務めるポール・ニコリッチ氏は説明する。承認までの間に、新規格に盛り込むべき仕様に関する議論が交わされ、技術開発が進められる。
新規格の標準化を始める際、IEEE 802委員会は所定の基準にのっとって新規格標準化プロジェクトの妥当性を評価する。評価する項目は「生産コスト」「技術的な観点での実現可能性」「商用化の可能性」「市場への影響」などだ。プロジェクトの必要性が認められれば、規格の開発が始まる。
標準化を待たずに準拠品が登場
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