新型コロナが投げ掛けるプライバシー問題【第1回】
GoogleとAppleも開発 新型コロナ「接触確認技術」の利点と注意点とは?
新型コロナウイルス感染拡大を阻止するため、企業や政府は感染者との接触を確認する技術の開発を進めている。GoogleとAppleも共同開発に乗り出した、こうした接触確認技術がもたらすメリットと注意点とは。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として企業や政府がプライバシー規制を緩和し、市民のプライバシーが危険にさらされる可能性がある。
企業や各国政府において、新型コロナウイルス感染症の患者と死者数の統計情報を取りまとめるツール、感染症に関する質問に答えるチャットbot、AI(人工知能)技術を導入する動きがある。具体的には個人行動を追跡し、感染者と接触した人を特定する「接触確認アプリケーション」、物体の熱分布を画像で表現する熱画像技術、エンドユーザーの健康管理データを利用するアプリケーションなどだ。専門家の意見は、そうした技術が新型コロナウイルス感染症の拡大を鈍化させる上で重要な役割を果たし得る半面、代償も伴うとの見方で一致している。
新型コロナウイルス感染症が流行する中の異例の展開として、長年の宿敵同士だったGoogleとAppleが共同プロジェクトを2020年4月10日に発表した。両社は「Android」「iOS」搭載デバイス向けに、Bluetoothを使って感染者と接触した人を追跡する技術を共同で開発・提供し、新型コロナウイルス感染症対策を支援する方針だ。
接触確認技術がもたらすメリットと、守るべきガイドライン
この技術を実装したアプリケーションを利用すると、エンドユーザーは新型コロナウイルス感染症患者と接触した場合に通知を受信できる。GoogleとAppleは2020年5月には、保険機関向けにAndroid/iOS搭載デバイス間で利用できるAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を公開した。
Googleは2020年4月、131カ国における人の移動に関するデータを公開した。「このデータは匿名化処理した統計的なもので、個人の移動に関する情報は一切含まない」と同社は説明する。
「プライバシーを守るため、こうした追跡技術は一定のガイドラインに従うべきだ」と、法律事務所Bryan Cave Leighton Paisnerのデータプライバシー担当弁護士兼パートナーであるジェナ・バルデテロ氏は指摘する。そのために必要なこととして、バルデテロ氏は以下を挙げる。
- 行動データを収集する対象となるエンドユーザーに自発的に参加してもらうこと
- 適切な監督の下でデータを保護すること
- 公開されたデータだけを使うよう接触確認アプリケーションの開発者に徹底させること
- データ流出を防ぐために暗号化などのセキュリティ対策を接触確認アプリケーションの開発者に実装させること
- 当初の目的を達成した時点でデータを破棄し、他の目的で利用しないことをエンドユーザーに保証すること
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