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情報漏えいの“真犯人”は「クラウドサービスの設定ミス」だった?クラウドニュースフラッシュ

クラウドサービスと情報漏えいの関係を示す調査結果や、オンプレミスのインフラで「SAP HANA Enterprise Cloud」を動かす新サービスなど、クラウドに関する主要なニュースを6本取り上げる。

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 オンプレミスのインフラからクラウドサービスへのシステム移行に伴い、情報漏えいのリスクが高まる可能性がある。本稿はクラウドサービスとセキュリティの関係性を示したグローバル調査の結果や、VMware製品をOracleのクラウドサービスで動かすための新サービス、工場のIoT(モノのインターネット)化を実現する新サービスなど、クラウドに関する主要なニュースを6本紹介する。

企業がクラウドを導入する理由とは? IDC Japanが調査

 IDC Japanによると、企業がITインフラに関して抱えている主要な課題は、コスト削減とセキュリティ対策だ。企業は特にハードウェアの導入コストや保守コストを削減するために、クラウドサービスを活用しているという。2020年にIaaS(Infrastructure as a Service)への投資を計画または検討している企業は、従業員規模が1000人以上の企業で17.7%、100人〜999人の企業で15.4%、100人以下の企業で10.0%だった。調査は国内の691組織のCIO(最高情報責任者)とIT部門のマネジャーを対象に実施した。(発表:IDC Japan<2020年8月27日>)

情報漏えいの主な原因は「クラウドの構成ミス」 IBM Securityが調査

 IBMのセキュリティ部門IBM Securityは、情報漏えいの経済的影響に関する調査結果を発表した。調査対象企業で発生した情報漏えいの主要な原因が、クラウドサービスの構成ミスだ。サイバー攻撃によって発生した情報漏えいの根本原因の19%が、クラウドサービスの構成ミスであることが明らかになった。クラウドサービスへのシステム移行に伴い、情報漏えい時に発生するコストが平均よりも約27万ドル増加することも分かった。調査は調査会社Ponemon Instituteと共同で、2019年8月から2020年4月の間に情報漏えい被害に遭った524社を対象に実施した。(発表:日本アイ・ビー・エム<2020年8月25日>)

「Oracle Cloud VMware Solution」提供開始 「Oracle Cloud」でVMware製品を動かす

 Oracle Cloud VMware Solutionは、企業がオンプレミスのインフラでサーバ仮想化製品「VMware vSphere」などのVMware製品を使って稼働させているワークロード(アプリケーション)を、Oracle Cloudで稼働可能にするサービスだ。ユーザー企業専用のOracle Cloudのリージョン(データセンター群が存在する地域)をオンプレミスのデータセンターに構築する「Oracle Dedicated Region Cloud@Customer」でも利用できる。ユーザー企業がVMware製品のアップグレードやセキュリティパッチ適用を任意のタイミングでできるようにすることで、MicrosoftやAmazon Web Servicesなどの競合ベンダーが提供する同様のサービスとの差異化を図る。月額利用料金は2万3570ドルから。(発表:日本オラクル<2020年8月17日>)

富士通クラウドをAWSやAzureと結ぶ直接接続サービス 富士通が提供

 ユーザー企業の拠点と富士通のデータセンター、AWSや「Microsoft Azure」といった他社クラウドサービスのデータセンター間で、閉域網を使って通信するための「Digital enhanced EXchange」(DEX)の提供を始めた。同社クラウドサービスと他社クラウドサービス間のワークロード移行や、複数のデータセンター間接続による災害対策などへの利用を想定している。利用料金は回線容量によって異なり、富士通の東西データセンター間で接続する「東西エリア間接続」が1接続当たり無料から25万円。Azureと富士通のデータセンターを接続する「クラウドコネクト for Azure ExpressRoute」が1接続当たり17万9000円から。(発表:富士通<2020年8月6日>)

「産業IoT」に必要な要素をまとめてそろえた製品/サービス群 IIJが提供

 インターネットイニシアティブ(IIJ)が提供開始した「IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント」は、産業機械や工場設備のIoT化に必要なデバイスやネットワークなどをそろえた製品/サービス群だ。Advantechと共同開発した産業用PaaS(Platform as a Service)「WISE-PaaS IIJ Japan-East」に、産業機関や工場設備の稼働データを収集するエッジデバイスや、エッジデバイスにリモートアクセスするためのネットワークを組み合わせた。産業機械や工場設備の稼働状況をリモートで監視したり、メンテナンスしたりするシステムを構築できる。各製品/サービスを個別に調達する必要をなくすことで、短期間で導入しやすくした。1台の産業機械を監視する場合、月額利用料は約1万7000円で、買い切り型のセンサーデバイスなど関連デバイスの初期導入費用が別途必要となる。(発表:インターネットイニシアティブ<2020年8月31日>)

「SAP HANA Enterprise Cloud」をオンプレミスで動かすサービス、SAPとHPEが提供

 「SAP HANA Enterprise Cloud, customer edition」の名称でサービスを提供する。ユーザー企業はオンプレミスのインフラで、SAPのPaaSであるSAP HANA Enterprise Cloudを稼働できるようになる。従量課金でHPE製品を利用できるHewlett Packard Enterprise(HPE)のサービス「HPE GreenLake」と組み合わせて提供。HPE GreenLakeを利用して導入したハードウェアとソフトウェアでインフラを構築する。ポリシー上、オンプレミスのインフラ以外にデータを保管できない企業、オンプレミスのインフラにある他のシステムとのデータ通信コストを削減したい企業の利用を見込む。(発表:日本ヒューレット・パッカード<2020年8月18日>)

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