「CASB」選定ガイド【前編】
「プロキシ型CASB」とは? フォワードプロキシ型とリバースプロキシ型の違いは
安全にSaaSを利用するセキュリティ対策として利用が広がりつつあるのが「CASB」だ。その主要な種類である「プロキシ型CASB」とは何か。「フォワードプロキシ型CASB」と「リバースプロキシ型CASB」の違いとは。
セキュリティ部門にとって、SaaS(Software as a Service)のセキュリティ確保は容易ではない。ネットワークにデータが流れているとき、そのデータがSaaSの利用で発生しているデータなのか、SaaS以外のWebサイトの閲覧で発生しているデータなのかを見分けることは難しい。この特性は、企業が認可していないIT製品・サービスをエンドユーザーが勝手に導入する「シャドーIT」として利用されるSaaSを生み出しやすい。
SaaSを稼働させるためのシステムがクラウドベンダーの運用管理下にあることも、SaaSのセキュリティ対策を難しくする要因となる。クラウドベンダーがネイティブのセキュリティ機能として提供していない暗号化や監視の強化といったセキュリティ対策を追加しようとしても、制約があるためだ。
このような問題への対処に役立つことから、SaaSのセキュリティを懸念する企業の間で「CASB」(クラウドアクセスセキュリティブローカー)に注目が集まっている。CASBはクラウドサービスとエンドユーザー間の通信状況を可視化する。これによりシャドーITとしてのSaaSの利用を防止できる。
CASBは主に「プロキシ型」「API(アプリケーションプログラミングインタフェース)型」の2種類に分類できる。どちらが自社に適しているのかを見極めるために、両者の違いを理解しよう。
「プロキシ型CASB」とは 「フォワードプロキシ」「リバースプロキシ」の違いは
プロキシ型CASBは、エンドユーザーとSaaSの通信の間にあるプロキシサーバとしてCASBが機能する。この方式は、エンドユーザーとSaaS間のデータのやりとりをCASB経由にすることで、監視対象のデータの可視性を高める仕組みだ。CASBはエンドユーザーとSaaSがやりとりするデータの暗号化に加えて、SaaSへのアクセス試行やログインといったイベントの記録・監視を可能にする。
一般的なプロキシサーバには「フォワードプロキシ」「リバースプロキシ」という2種類があり、プロキシ型CASBもフォワードプロキシ型CASBとリバースプロキシ型CASBに分かれる。フォワードプロキシ型CASBはクライアントデバイスの代理としてWebサーバにアクセスする。リバースプロキシ型CASBは特定のWebサーバ宛てのデータを受け取り、Webサーバの代理としてクライアントからのアクセス要求に応える。
エンドユーザーがSaaSにアクセスする場合を考える。まずエンドユーザーがSaaSにアクセスしたいというリクエストを送る。リクエストはSaaSが稼働するサーバには送信されず、CASBに送信される。CASBはエンドユーザーの代わりにSaaSが稼働するサーバにリクエストを送り、エンドユーザーとサーバ間でやりとりされるデータを中継する。このタイミングでCASBは、SaaSデータの暗号化・復号やエンドユーザーの操作の記録、特定操作のブロック、データのフィルタリングなどを実施する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
世界のデータセンター容量は5カ国に69%集中、電力消費「5%の壁」が招くものとは?
-
6
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
7
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
8
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
9
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
10
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
8
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
9
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
10
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー