IT関連契約を見直すヒント【後編】
アウトソーシング契約を見直す際に忘れてはいけない「セキュリティ」要件とは?
テレワークが拡大する中、アウトソーシング先ベンダーとの付き合い方が変わり始めている。変化に追従し、安心してアウトソーシングを継続するためには契約の見直しが必要だ。どう見直せばよいのか。
前編「テレワーク普及でアウトソーシングコストの削減が容易に? その理由とは」は、アウトソーシング先のベンダー契約の見直しや交渉の成功につながるヒントを1つ紹介した。本稿は2つのヒントを紹介する。
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ITコスト最適化のヒント
ヒント2.プライバシー保護とセキュリティ関連の契約を見直す
企業は総じて、プライバシー保護やセキュリティ対策の優先度を引き上げている。知的財産の喪失や顧客からの信用失墜、事業を乗っ取られることによる収益の損失など、不十分なプライバシー保護やセキュリティ対策がビジネスに大きな打撃を与えかねないためだ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)により拡大したテレワークの流れは、プライバシーやセキュリティに関するリスクをさらに高める可能性がある。
自社の従業員が適切に業務に携わっているかどうかを確認することは、企業にとって当然なことだ。加えて企業は、アウトソーシング先のベンダーが機密データにアクセスする方法が適正かどうか、契約を見直す必要がある。具体的には契約に、ベンダーが順守すべきプライバシー保護とセキュリティ対策の要件を追加するといった変更が必要になる。それ以外にも、以下の点が見直しの対象として考えられる。
- 「全てのデータは、委託元企業のサーバに保存する」といったセキュリティに関する明確な要件の定義
- 委託元企業のPCをベンダーが使用する場合の要件
- ベンダーの従業員が委託元企業のデータにアクセスする場合の制限事項
- ベンダーが委託元企業の保有するデータを利用、編集する際の制限事項
- ベンダーの従業員が国外でテレワークをする場合の要件
- 契約違反およびその可能性を委託元企業に通知する際の要件
- ベンダーの過失による機密情報の侵害に関する責任条項
ヒント3.知識伝達の変化を認識する
COVID-19の影響で対面活動に制限が掛かり、アウトソーシングの委託元企業からベンダーに向けた知識の共有が難しくなっている。ベンダー選定の際に、委託元企業は「自社特有の知識や業界特有の知識をベンダーとどのように共有するか」「共有プロセスと手続きを文書化できているかどうか」などの疑問点を整理してベンダーに問い掛ける必要がある。以下はベンダーへの質問例だ。
- プロセス管理ツールを使うかどうか
- ベンダー従業員へのトレーニングを実施する際、委託元企業に求める要件は何か
- 「委託元企業のトレーナーによる指導やサポートが必要かどうか」「ベンダー企業が国外にある場合、トレーナーは現地時間に合わせて指導をすることになるかどうか」など。
- 担当者同士の対話やドキュメント共有に必要なツールは何か
- Web会議ツールや知識管理ツールは必要かどうかなど。
- 必要なツールを用意するのは委託元企業とベンダーのどちらかか
- ノートPCやヘッドセット、ビデオカメラなど、特別な製品の用意は必要かどうかなど。
アウトソーシング契約の適切な見直しは、コスト削減やビジネスの成果向上につながる。契約の見直しの際には、リスク軽減に必要な要素全てを網羅することが重要になる。
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