「SSH」を安全に利用する【前編】
安全なはずの「SSH」が抱える6大セキュリティ問題とは? 危険性と対策は
「SSH」は安全なリモートアクセスを確立するために不可欠な通信プロトコルだ。一方でSSHには、攻撃者に狙われる可能性がある幾つかのセキュリティ問題があるという。それは何なのか。
企業のセキュリティ部門は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)に適応するネットワークセキュリティの確保を迫られている。企業は従業員のテレワークを可能にするために、さまざまなリモートアクセス機能を導入し、その安全な使い方を従業員に教育してきた。
そうした取り組みにおいて中心的な役割を果たしているのが、リモートアクセスとリモート管理の事実上の標準技術である「SSH」(Secure Shell)だ。SSHは1995年にタトゥ・ウルネン氏が開発した通信プロトコルで、通信の暗号化によってリモートアクセスの安全を確保する。SSHにより、セキュリティで保護されていないネットワーク経由でも安全に別のコンピュータにログインできるようになる。従業員やシステム管理者は、ネットワークインフラの管理やコマンドの遠隔実行、別のコンピュータ内のデータ/アプリケーションへのリモートアクセスを安全に実行可能だ。
SSHは、遠隔操作プロトコル「Telnet」(Teletype Network)やファイル転送プロトコル「FTP」といった暗号化を前提としないプロトコルより、はるかに安全なデータのやりとりを可能にする。SSHは暗号アルゴリズム「AES」(Advanced Encryption Standard)とハッシュアルゴリズム「SHA-2」(Secure Hash Algorithm 2)を使用して通信を保護することで、やりとりするデータのプライバシーと整合性を確保する。
SSHの主な6つのセキュリティ問題
一方でSSHを狙う攻撃は複数あり、企業が被害を受ける可能性がある。攻撃者はリモート接続を保護するための仕組みや、暗号鍵に存在する脆弱(ぜいじゃく)性を悪用して攻撃に及ぶ。
攻撃者は「InterPlanetary Storm」など、SSHの脆弱性を悪用したマルウェアによる攻撃でSSHを狙う。「Lemon Duck」など、システムリソースを不正に使って暗号通貨(仮想通貨)をマイニング(採掘)する「クリプトマイナー」を悪用する攻撃者もいる。botネット(マルウェアに感染したコンピュータが形成するネットワーク)の「FritzFrog」は、ブルートフォース(総当たり)攻撃によって、SSH認証を要求するサーバ(SSHサーバ)500台以上の侵入に成功した。
SSHの主なセキュリティ問題は次の6つだ。
- パスワード認証
- SSHの認証方式にはパスワード認証と公開鍵認証がある。ブルートフォース攻撃でパスワードが流出する危険性を考えると、公開鍵認証を使用する方が安全だと言える。ただし鍵の厳重な管理が不可欠だ。
- 暗号鍵の管理の不備
- 公開鍵認証では、SSHサーバが保持する公開鍵と、クライアントが保持する秘密鍵を利用する。攻撃者は秘密鍵を入手することで、信頼するクライアントとしてSSHサーバの認証を受け、不正侵入できる。
- 秘密鍵の侵害
- 暗号鍵の脆弱性やサーバ/クライアント間の認証プロセスの不備は、不正アクセスのリスクを高める。
- パッチ未適用のSSHソフトウェア
- SSHサーバへのパッチの適用を怠ると攻撃を受ける危険性が高まる。
- 通信保護技術の不備
- SSL/TLSなど安全な通信のための技術を利用する必要がある。
- シャドーSSHサーバ
- 企業が把握していないSSHサーバのことであり、これが存在すれば脆弱な状況になる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
4
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
7
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
8
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
9
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
10
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー