「Exchange」の脆弱性公開の裏で起きていた“ある論争”とは?:Exchange「Autodiscover」の脆弱性とは【後編】
Guardicoreは、Microsoftの「Exchange Server」「Exchange Online」の機能に脆弱性が存在することを報告した。その報告を受けてMicrosoftとGuardicoreの間には、ある“論争”が起こった。何が起きたのか。
セキュリティベンダーGuardicoreは調査レポートを公開し、Microsoftのメールサーバ製品「Exchange Server」およびメールサービス「Exchange Online」の設定自動検出機能「Autodiscover」に脆弱(ぜいじゃく)性が存在することを指摘した。脆弱性の概要や対策は、前編「『Exchange』の“設計上のミス”が招いた情報漏えいとは?」、中編「『Exchange Server』『Exchange Online』の情報漏えいを防ぐ2つの対策」で説明した通りだ。
両者の間で起きた“論争”の中身
併せて読みたいお薦め記事
Microsoft製品の脆弱性
- Windows「RDP」の脆弱性が「Hyper-V」に影響か VMからホストを攻撃可能に
- WindowsのRDP脆弱性「BlueKeep」の悪用例をついに観測 その影響は
- 「Microsoft Edge」からパスワードを盗む攻撃手法が判明、対策はほぼなし?
Guardicoreのレポートに対してMicrosoftは、「Guardicoreがレポートを公開する前に脆弱性開示プロセスに従わなかった」と批判した。レポートの著者であるGuardicoreのセキュリティリサーチ担当エリアバイスプレジデントのアミット・サーパー氏は、ミニブログ「Twitter」への投稿で次のように反論した。
私のレポートは、2017年にこの問題を明らかにした調査結果を明確に引用しています。発見者のShape Securityは、この調査結果をまとめた論文を「Black Hat Asia 2017」(訳注:同年開始のセキュリティイベント)で発表しており、論文は以下のリンクから閲覧可能です。当時、この脆弱性は確かにゼロデイ(訳注:パッチ未配布)でした。ですが2021年9月23日現在、少なくともそれから1460日経過しています
TechTargetはGuardicoreに追加のコメントを求めたが、回答は得られなかった。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.