クラウドを安く使う「ベンダー交渉」に失敗しない“交渉前準備”のヒント:クラウドベンダーとの「SLA」「料金」交渉のこつ【前編】
クラウドサービスの導入時に、ユーザー企業が自社の要件に適した契約を結ぶには、クラウドベンダーとの交渉が必要だ。まずは交渉前の準備に注目する。
ユーザー企業がクラウドサービスを利用するときに、クラウドベンダーとの取引で法外な料金を支払ってしまうことや期待外れの結果となることがある。その主な原因は、ユーザー企業がクラウドベンダーとの十分な交渉をしていないことにある。
クラウドベンダーとの料金交渉前にやるべき“あの準備”とは
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自社の要件に合った契約を結ぶには、以下の3つの原則を念頭に置いて交渉に臨むとよい。
- 契約の要件を知る
- クラウドサービスの契約を結ぶ際に必須の条件を定める。ユーザー企業は主に、サービスの品質と性能を保証するサービスレベル契約(SLA)の内容と料金に注目する傾向があるが、より広い視点で検討すべきだ。
- アプリケーションを知る
- クラウドサービスの内外でデータがどのように移動するかを理解しなければならない。
- 相手を知る
- 自社が望むものを手に入れるためには、クラウドベンダーとうまく交渉する方法を知るとよい。
この記事は、クラウドサービス契約の交渉に必要な最初のステップであるSLAの重要性と、クラウドサービスのコストを削減する方法を紹介する。
まずは事業計画を実現するのに必要なコストを計算する。次に自社のアプリケーションが必要とする具体的なクラウドサービスと、そのSLAの要件を把握する。
開発するアプリケーションの具体的な仕様が十分に理解できていれば、必要なサービスや機能を大まかに見積もることがでできる。この見積もりは、後の交渉の指針となる。クラウドサービスの「Amazon Web Services」(AWS)やMicrosoftの「Microsoft Azure」、Googleの「Google Cloud Platform」(GCP)といった主要なクラウドサービスは、コストを試算する機能を提供している。ただし料金の検討に入る前に、サービス内容やSLAなど料金以外の項目から検討を始めた方がよい。
次にシステムにおけるデータの流れを明確にするために、データフロー図を描く。クラウドサービスで管理するデータと、クラウドサービス外で管理するデータを明確にする。ここで注意すべき点は、クラウドサービス内外でデータの出入りがある場合に、料金が発生することがあるという点だ。データの格納場所とデータの内容、データ量を特定しておくと、コストの把握がしやすくなる。
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