「AWS無料利用枠」を使って後悔しないための注意点:AWSのストレージサービスが料金体系を刷新【中編】
ユーザー企業がAWSの無料利用枠を使いこなすためには、その制約や注意点を十分に理解しておく必要がある。ITコンサルタントに主要な注意点を聞く。
2021年12月、Amazon Web Services(AWS)はCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)サービス「Amazon CloudFront」の無料利用枠について、1年間の利用期限を撤廃した。無料で実行可能なHTTPまたはHTTPSリクエストの回数は、月間200万回から1000万回に増えた。同様に、CloudFront向けのコード実行サービス「CloudFront Functions」の無料利用枠には1年間の利用期限が設けられていたが、それも撤廃される。
「AWS無料利用枠」の制約と、後悔しないための注意点
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クラウドのコスト要素
AWSが同名クラウドサービス群に設けている無料利用枠は、ユーザー企業がAWSサービスを試用できるようにするための施策だ。サービスや利用状況に基づき、データ容量の上限や利用期間などの制限がある。サービスによっては、無料利用枠を超えると従量制の料金に移行する。
ITコンサルティング会社Silverton Consultingのプレジデント、レイ・ルッチェシ氏は、無料利用枠の上限の引き上げを「上出来だ」と表現しながらも、これはどのようなユーザー企業を対象にした施策なのかという点に疑問を抱いている。「これらのサービスのユーザー企業にとって、無料利用枠が十分なのかといえば、恐らく不十分だ。データ転送コストも考慮しなければならない」(ルッチェシ氏)
AWSのリージョン(地域データセンター群)によっては、無料利用枠が利用できない場合がある。厳重なデータ保護対策が必要な政府向けのアプリケーションをホスティングするリージョン「AWS GovCloud」は、無料利用枠の拡大の対象にはならない。中国リージョンも無料利用枠拡大の対象外となる。
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