“待てない消費者”をどう満足させるか 「CX」の勝ち組企業になる条件:パンデミック後のCX【前編】
顧客エンゲージメントを高めるためには、消費者が企業に何を求めているのかを知ることが近道だ。調査結果からは、消費者の厳しい評価基準が見えてきた。
コミュニケーションAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)ベンダーTwilioが2021年11月に発表した調査結果によると、顧客エンゲージメント(顧客との結び付き)に優れた業種はスーパーマーケットと銀行だ。同社が2021年9月、2000人以上の消費者を対象に実施した調査では、スーパーマーケットが顧客エンゲージメントにおいて最も優れていると考える消費者は54%だった。この数字は2020年調査の62%より低下しているものの、スーパーマーケットは依然として適切な顧客エンゲージメントを実現している業界のトップ3に入っている。
同調査結果は、消費者が良質なCX(カスタマーエクスペリエンス)と考えるものと、一部の業界で実際に提供されているCXの間に、認識の相違があることを浮き彫りにした。
顧客エンゲージメント「最良の評価指標」は? “待てない消費者”の満足が鍵
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顧客エンゲージメントを評価する最も良い指標として「反応の早さ」を挙げる消費者は4分の1近くに達する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の間、企業の反応速度は改善している。それでも消費者の半数以上は、企業とのコミュニケーション品質がより一層向上することを求めている。
TwilioでEMEA(欧州、中東、アフリカ)担当のシニアバイスプレジデントを務めるデイビッド・パリー・ジョーンズ氏は「今日、全ての顧客とのコミュニケーションが重要になっている」と語る。迅速な返答は、適切な顧客エンゲージメントに欠かせない。一方で消費者の期待値は、あらゆるものに対して厳しくなっている。「問い合わせが1回で済まなかった場合でも、前回の続きからスムーズに対話を再開できる一貫性が望まれている」(ジョーンズ氏)
パンデミックに起因するロックダウン(都市封鎖)は、人々の生活の大半がオンラインにシフトする状況を引き起こした、企業の間に混乱が広がり、スーパーマーケットを含む小売業者や銀行は、高まるオンラインニーズへの適応に追われた。旅行業や店舗の閉鎖を余儀なくされたサービス業は、突然殺到した払い戻しやキャンセル、苦情への対応を強いられた。
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