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“パスワードのいらない世界”は本当に来るのか 肯定派、否定派それぞれの見解パスワードレス化への道のり【第4回】

パスワードレス認証の今後をアナリストはどうみているのか。将来、パスワードが完全になくなることは本当にあるのだろうか。そこにはさまざまな意見がある。

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 第1回「“パスワードのいらない世界”への道 『パスワードレス認証』の第一歩とは」から第3回「“パスワードのいらない世界”の実現には『マルチベンダー』が現実的な理由」までの3回にわたり、パスワードを使わない認証「パスワードレス認証」を採用する際に、企業が考慮すべき4つのポイントを紹介した。パスワードレス認証が普及すれば、パスワード認証の必要性は低下する可能性がある。将来的にパスワード認証は消えてしまうのか。

完全にパスワードはなくなるのか

 パスワード認証の未来については、さまざまな意見が存在する。

 企業ではパスワード認証が不要になるとの見方がある。「パスワード認証は時間とともに使われなくなる」と予想するのは、調査会社Gartnerでアナリストを務めるデービッド・マーディ氏だ。「GoogleやMicrosoftといったベンダーが、パスワードレス認証に多大な投資をしていることが大きな理由だ」とマーディ氏は語る。

 他方で「パスワード認証は廃れるが、完全にはなくならない」という意見もある。

 「パスワード認証が完全に役目を終えることはない」。コンサルティング企業RSM USで、セキュリティおよびプライバシーリスクサービスのプリンシパル兼ナショナルリーダーを務めるタウシーフ・ガージ氏はそう言い切る。ガージ氏は、技術が進化して便利になったはずの新しい認証ツールも、レガシーシステムも、どちらもPIN(個人識別番号)を利用していることを引き合いに出す。

 調査会社Forrester Researchでアナリストを務めるショーン・ライアン氏も「パスワード認証は日常的に使われなくなるものの、完全になくなりはしない」とみる。パスワードレス認証が成熟し、フロントエンド(エンドユーザーが操作する部分)で一般的な認証方法になる可能性はあるとライアン氏は考える。バックエンドでは、レガシーシステムが相互にやりとりを続けられるように、引き続きパスワード認証が使われると同氏はみる。

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