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医療機関が人材育成に「ゲーミフィケーション」を採用した理由Mayo Clinicが挑戦 ゲーミフィケーションによる従業員研修【前編】

米国医療機関のMayo Clinicは、従業員研修にゲーミフィケーションの手法を採用しようとしている。この研修システムの特徴は双方向コミュニケーションとチーム育成を重視している点だ。ユーザーの反応は。

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 医療機関Mayo Clinicは、ゲーム以外の活動にゲームの仕組みを利用する「ゲーミフィケーション」を取り入れた従業員研修システムの試験運用を実施する。従来の講義形式の研修よりも学習効率が高まる可能性があると期待しての取り組みだ。一定の成果が得られれば、同機関の従業員約7万5000人が将来的にこの研修システムを通じて教育を受けるようになる。

 ゲーミフィケーションを取り入れた研修のアプローチは双方向コミュニケーションを重視している。Mayo Clinicのコミュニティービジネス部門(Office of Community and Business Relations)ディレクターのマリオン・ケリー氏は、この点がゲーミフィケーションの魅力だと考えている。同機関はDEI(Diversity, Equity and Inclusion:多様性、公平性、包括性)およびマネジメントスタイルの研修にKeepWOLのゲーミフィケーション型研修システムを採用し、試験運用を実施。このプロセスを監督するのはケリー氏の部署になる。

従業員から見た、ゲーミフィケーション型研修の特徴

 ゲーミフィケーションを取り入れた研修の場では、全員が発言する機会を得て、全員が聞くことになる。その結果、参加者の視点が変化する。一方で講義をはじめとする従来型の研修アプローチはもっと受動的で、「『参加者は聞けば学んでくれるものだ』という考え方に基づいている」とケリー氏は説明する。

 従業員はゲーミフィケーション型研修システムを使って「自分の人生をもっと楽にするために何かを1つ変えられるとしたら、それは何だろうか。その理由は」といった質問に答える。研修参加者は、他の参加者の回答にどれほどの信ぴょう性があるか、もっと情報が必要かどうかを判断し、ポイントを与える。あるいは回答をやり直すよう指示することもできる。

 「参加者は、他の参加者のオープンさ、正直さ、傷つきやすさといった事柄にポイントを投じる」と、KeepWOLのCEOローレン・フィッツパトリック・シャンクス氏は説明する。同社のゲーミフィケーション型研修システムはSaaS(Software as a Service)形式で、オンデマンドに複数のプレーヤーが参加できるゲームがある。

 Mayo Clinicは2022年2月から5〜6週間にわたり、新人からリーダーまで約50〜60人の従業員を対象としてゲーミフィケーション型研修システムの試験運用を実施する。ケリー氏は、このシステムが他の形式の研修を補完するものとして機能すると考えている。


 後編は、KeepWOLの研修システムが目指している「ゲーミフィケーション型研修」の在り方について紹介する。

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