英国企業が7歳児に「データセンターとは何か」を教える“切実な理由”:コロケーション事業者Kao Dataが挑戦
7〜11歳の子どもを対象にデータセンターについて伝える取り組みをコロケーションサービス事業者Kao Dataが始めた。小さな子どもを相手に、どのような内容を伝えるのか。取り組みを実施する意図は。
英国ロンドンに本拠を置くHarlow Operations(Kao Dataの名称で事業展開)が、7〜11歳の子どもを対象に「データセンターとは何か」を教える取り組みを始めた。Kao Dataは、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)や人工知能(AI)技術を活用するユーザー企業向けにコロケーション(データセンターの場所貸し)サービスを提供している。
だからこそ「7歳児からのデータセンター教育」が必要
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Kao Dataは、データセンターに関する情報を子どもに伝える取り組み「Kao Academy」を通じて、データセンターに興味を持つ子どもを増やすことを目指している。同社の望みは、Kao Academyの教材に触れた子どもの中から、データセンター分野でのキャリアを選ぶ人が出ることだ。同社はKao Academyで、子ども向けのデータセンター教材を設計し、Kao AcademyのWebサイトを通して提供する。同社は教材を通して、
- データセンターの役割
- データセンターの設計方法
- データセンターの構造
といった内容を伝える。こうした内容を伝えることで、データセンターの重要性と日常生活との関連性を子どもに知ってもらう。同社は教育慈善団体Cambridge Science Centreと提携して、Kao Academyの取り組みを進めている。
子どもはKao AcademyのWebサイトで、自分のデータセンターを構築できるペーパークラフトの素材をダウンロードできる。Kao Dataによるコロケーション施設建設の様子を収めた動画を視聴することも可能だ。
「私たちの生活にデータセンターは役立っている」と、Kao Dataのバイスプレジデントであるアダム・ネザーソール氏は強調する。ネザーソール氏は「データセンターは日常活動を支え、人々のコミュニケーションを促進している」と指摘。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)に対処する上でも、データセンターは欠かせないと同氏は説明する。
「データセンターに対する一般的な理解や評価は、驚くほど低い」とネザーソール氏は嘆く。「私たちの使命は、データセンターやその重要な役割に対する世の中の意識を高め、データセンターを設計、構築、運用する人々を知ってもらうことだ。Kao Academyを通じて、まずは子どもたちに伝えていく」(同氏)
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