「Carbon」は「C++」の後継になり得るか【第2回】
C++が“使ってはいけないプログラミング言語”だと言われるのはなぜ?
「C++」は、「C」の後継として生まれたプログラミング言語だ。後継言語として強力な仕組みを持つ一方、さまざまな問題を抱えていると専門家は指摘する。どのような問題なのか。
プログラミング言語「C++」は、プログラミング言語「C」から派生した。そのためC++は、Cの仕組みを受け継いでいる。C++エンジニア向けカンファレンス「CppNorth 2022」の基調講演において、「C++の成功にはCの継承が不可欠だった」と、Googleのプリンシパルソフトウェアエンジニアであるチャンドラー・カルース氏は語った。同社はC++の後継を目指して、プログラミング言語「Carbon」(Carbon Language)の開発を進めている。
CからC++への移行は比較的スムーズに進んだ。一方でC++が抱える“ある問題”が顕在化した。
C++が“使ってはいけない”と言われるのはなぜ?
併せて読みたいお薦め記事
連載:「Carbon」は「C++」の後継になり得るか
プログラミング言語の移り変わり
「C++はさまざまな癖がある複雑なプログラミング言語だ。構文を理解して記述するのが難しい。そのためバグが発生する可能性が高く、修正に費用も時間もかかる」。プログラミング学習サイト「Savvy Programmer」の創設者兼編集者のモーシェッド・アラム氏はそう話す。「C++は企業におけるアプリケーション開発にはあまり適していない」ともアラム氏は語る。
企業におけるアプリケーション開発にC++が最適なプログラミング言語ではないことには、調査会社Forrester Researchでシニアアナリストを務めるアンドリュー・コーンウォール氏も同意する。「C++は強力なプログラミング言語だが、多くの災いを引き起こす可能性がある」とコーンウォール氏は述べる。一方「さまざまなシステムの構築にC++は十分役割を果たしている」という考えも示す。
「C++にはメモリに関する安全性の問題がある。これはC++で開発したアプリケーションに深刻なセキュリティリスクをもたらしかねない」。アプリケーション開発企業Intelivitaの共同創設者であるダバル・サルバイヤ氏はそう説明する。C++では、開発者がメモリ領域の確保や解放といった処理をソースコードに明記する必要がある。適切なメモリ管理ができていないC++アプリケーションは、確保できているメモリ領域を越えてデータを書き込んでしまうことがある。これを「バッファオーバーフロー」の脆弱(ぜいじゃく)性と呼ぶ。
ソースコード共有サービス「GitHub」で公開している情報によると、Carbon開発チームは、こうしたメモリの安全性の問題を大きな課題だと捉えており、C++の後継言語はメモリの安全性を確保すべきだと主張する。他方で「メモリの安全性に関する取り組みの優先順位は高くない」とも説明する。「われわれがセキュリティ分野で真っ先に重点を置くのは、重要かつ実装難易度が高くない機能だ」と開発チームは言及する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
3
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
4
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
8
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
9
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
10
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー