不景気で会社から真っ先に消える“あれ”と、むしろ増える“あれ”:PwC調査で探る「景気後退下のIT投資」【前編】
PwCの調査レポートによると、米国企業は景気後退を必ずしも重大なリスクだと捉えているわけではない。ただし投資判断には変化が現れ始めているという。何が起きようとしているのか。
一時的な景気後退の脅威は、企業が直面する最重要問題ではなくなっている。国際会計事務所/コンサルティング会社PricewaterhouseCoopers(PwC)が公開した調査レポート「PwC Pulse Survey: Managing business risks」によると、回答者である米国企業経営幹部の60%は「一時的に景気後退が起きる」と考えていたものの、それを「重大なリスク」と見なしているのは30%にすぎなかった。だが景気の先行きには暗雲が漂う。
不景気で会社から“あれ”が減り、“あれ”が増える
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連載:PwC調査で探る「景気後退下のIT投資」
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PwCの調査では、83%が「ビジネス戦略で成長や拡大に重点を置いている」と回答した。ただしオフィスの面積に関しては例外だ。テレワークの普及によって、オフィススペースの必要性は下がっている。
回答者の約50%は「人員を削減している」と答えた。一方で企業は業務のIT化に着手しており、これに対処するスキルを有する人材を見つけ出すための人材獲得戦略を策定している。「雇用主はITに関する深い知識とノウハウを有する人材を求めている」とPwCは指摘する。
「業務自動化やセルフサービスツールなどの普及は、企業が作業工程や供給プロセスの見直しを進める一助となっている」とブーシャン・セティ氏は語る。セティ氏はPwCで人員と組織の共同グローバルリーダーを務める。
PwCは、米国の経営幹部722人を対象に調査を実施した。調査期間(現地時間)は2022年8月1日〜5日。
後編は、「過去に例がない」と専門家が驚いた、あるビジネスリスクを解説する。
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