米国企業が「DX」並みに重視し、最も恐れる“あの分野”とは?:PwC調査で探る「景気後退下のIT投資」【後編】
米国でも主要な投資対象になっている「デジタルトランスフォーメーション」(DX)。PwCの調査によると、米国企業がDXと同じくらい重視する投資分野がある。米国企業の最大の懸念にもなっている、その分野とは。
国際会計事務所/コンサルティング会社PricewaterhouseCoopers(PwC)は調査レポート「PwC Pulse Survey: Managing business risks」を公開した。同社のキャスリン・カミンスキー氏によると、調査に参加した経営幹部の半数以上である53%が、投資額を増加させている分野として「デジタルトランスフォーメーション」(DX)を挙げている。カミンスキー氏は、PwCでバイスチェアとトラストソリューションのコ・リーダーを務める。
DXに匹敵する49%の回答者が、投資額を増加させていると答えた分野は
- サイバーセキュリティとプライバシー
だ。懸念事項として最も多くの回答を集めたのも、このサイバーセキュリティとプライバシー(40%)だった。
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「こんな状況、見たことない」と専門家に言わせたあのリスク
PwCでサイバーセキュリティとプライバシーのグローバルリーダーを務めるショーン・ジョイス氏は「サイバーセキュリティに関する懸念は、地理的問題や政治的問題を中心に広がっている」と指摘する。ジョイス氏の説明によれば、具体的な原因はロシアによるウクライナ侵攻や米中関係の緊張の高まりなどだ。
ジョイス氏はロシアのサイバー攻撃について「公然のサイバー戦争を目の当たりにしたのは初めてだ」と話す。同氏によると、PwCの調査でサイバーセキュリティとプライバシーが最大の懸念事項になったことは過去に一度もない。
調査はPwCが米国の722人の経営幹部を対象に実施。最高財務責任者(CFO)、最高人事責任者(CHRO)、危機管理責任者、最高情報責任者(CIO)、最高情報セキュリティ責任者(CISO)などが参加した。調査期間は2022年8月1日〜5日。
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