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医療機関がベンダーと共同開発する「がん治療支援ツール」とは?ITで変わるがん治療【後編】

待機患者問題をはじめ、がん治療にまつわるさまざまな要素を効率化するために、がん治療専門機関と医療ITベンダーが診療支援ツールを共同開発している。この新しいツールは、臨床にどう貢献するのか。

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 英国のがん治療専門機関Guy’s Cancerは、医療ITベンダーCareology Healthとのパートナー契約を結び、新しいがん治療支援ツールを共同開発する。このツールは症状や副作用の記録、薬歴管理、経過の記録など、患者の治療に関する情報を1つの場所に保管して、患者と医療従事者の情報共有を効率化し、ケアの質を高めることを目指している。

「がん治療支援ツール」は医療をどのように変えるのか

 患者の診療記録をこのがん治療支援ツールで一元管理できるようになると、臨床医は次回の通院までに患者が治療に対してどのような反応を示しているかをリアルタイムで確認可能になる。「より適切なインサイト(洞察)に基づいて、積極的に患者を治療できるようになる」とCareology Healthは主張する。Careology Healthが提供するがん治療支援サービスは、がん患者の治療経過を管理するために、医療従事者が臨床的な洞察とデータをオンラインで確認できるようにする。

 Guy’s CancerとCareology Healthが共同開発する新しいデジタルツールは、

  • 患者の変化の早期発見
  • 臨床管理業務の削減や効率化
  • 患者の安全性向上

を目的として、がんの診断や治療に付随するさまざまな要素をデジタル化することを目指している。

 がん患者は自宅でCareology Healthのツールを使用して、症状や治療の副作用に関する最新情報を登録する。ツールはその情報をすぐに主治医に共有し、主治医は患者が次に通院する日までに治療の効果を確認できるようになる。「がん治療チームは、病状や副作用などのために診察を希望する患者を適切に優先できるようになり、もっと積極的にケアを提供できる」と、Guy’s Cancerを運営する医療グループGuy’s and St Thomas’NHS Foundation Trust(Guy’s and St Thomas’)とCareology Healthは主張する。

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