謎の「オンプレミスクラウド」なぜ脚光? “クラウドに失望した人”の受け皿に:「オンプレミスクラウド」という選択肢【第2回】
アプリケーションのインフラとして「オンプレミスクラウド」の需要が高まりつつある。普通のオンプレミスインフラでも、クラウドサービスでもないオンプレミスクラウドの利点とは何か。
Amazon Web Services(AWS)の同名サービスやGoogleの「Google Cloud Platform」(GCP)、Microsoftの「Microsoft Azure」といったクラウドサービスは、今やインフラの主な選択肢の一つとなっている。ただしワークロード(アプリケーション)を全てクラウドサービスに移行させたいと考えるユーザー企業は、多くはない。
「クラウドベンダーやそのパートナーは『オンプレミスクラウド』の構築サービスに力を入れる必要がある」。IT企業Leidos傘下のMSP(マネージドサービスプロバイダー)である1901 Groupで、最高成長責任者を務めるポール・ウィルキンソン氏はこう述べる。「オンプレミスクラウドのニーズは高まり続ける」(ウィルキンソン氏)
だから「オンプレミスクラウド」が求められる
連載:「オンプレミスクラウド」という選択肢
オンプレミスインフラをパブリッククラウドのように利用する
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オンプレミスインフラを構築する際、ユーザー企業はサーバやストレージを過剰に購入しがちだ。クラウドサービスなら、使用したリソースの分だけ料金を支払えばよく、設備投資が必要ない。
とはいえ「クラウドサービスは必ずしも安価になるとは限らず、オンプレミスインフラより高額になることもある」。システムインテグレーターInsight Enterprisesでクラウドおよびデータセンター変革部門のプラクティスディレクターを務めるケント・クリステンセン氏は、こう説明する。
Insight Enterprisesはオンプレミスクラウド、つまりオンプレミスインフラをプライベートクラウド(リソース専有型クラウド)化する「オンプレミス型プライベートクラウド」の事業が「年間数百パーセント規模で成長している」とクリステンセン氏は説明する。「オンプレミスクラウドを手に入れようとするユーザー企業は爆発的に増えている」(同氏)
第3回は、データセンターの場所貸しサービスである「コロケーション」を使ってオンプレミスクラウドを構築する方法を紹介する。
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