“考えなしのデータ集め”からの脱却に不可欠な「データスチュワード」とは?:データクオリティーを保つ7つのベストプラクティス【第6回】
データを有効活用するには、データクオリティーを高いレベルで維持することが必要だ。その上で「データスチュワードの設置」がどう役立つのか、そしてその先にある「データドリブン文化の確立」とは何かを紹介する。
企業のビジネスに欠かせないデータ。より正確な分析結果を得るためには、データクオリティー(データ品質)が重要だ。データクオリティーを確保するための7つのベストプラクティスのうち、6つ目と7つ目を取り上げる。
6.データスチュワードの設置
併せて読みたいお薦め記事
連載:データクオリティーを保つ7つのベストプラクティス
- 第1回:考えなしのデータ集め”は無価値どころか害悪 専門家が語る納得の理由
- 第2回:何の役にも立たない“低品質データ”はこうして生まれる
- 第3回:データの出どころを即答できないなら「データリネージ」を明確にしよう
- 第4回:“低品質データ”を垂れ流し続けないための「SLA」とは
- 第5回:データは何の価値も生まない――そう嘆く前に「データガバナンス」を見直そう
企業のデータマネジメント戦略
決まった手順だけでは、データクオリティーに関する全ての問題を解決することは難しい。そこでデータスチュワード(データマネジメントの責任者)の出番になる。「データスチュワードは、データを思慮深く観察して、未解決の問題を解決に導く」。データマネジメントツールベンダーTalendのグローバルソリューションエンジニアリング担当バイスプレジデントであるクリストフ・アントワーヌ氏は、そう述べる。
企業は部門単位で、データスチュワードを任命するとよい。IT部門だけではなく、全社的なデータマネジメント体制を整えることが重要だ。技術だけではこの目標を達成することは難しい。データに基づく意思決定を中心としたデータドリブン文化を実現するには、全社的な協力と支援が必要になる。
7.データドリブン文化の確立
企業には、全社的に観察、議論、改善を重視するデータドリブンな文化が必要だ。「データドリブンなカルチャーによって、部門ごとにデータが独立している『サイロ化』をなくし、部門間でさまざまなデータをシェアできるようになる」。システムインテグレーターSyntax Systemsで、ビジネスインテリジェンス(BI)プロジェクトのチームリーダーを務めるジェフ・ブラウン氏は、そう述べる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.