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謎のインフラ「DCaaS」とは? クラウドを使わずに“従量課金”を実現「オンプレミスクラウド」という選択肢【第4回】

ベンダー各社はオンプレミスインフラをクラウドサービスのように利用するためのサービスを拡充させている。どのようなサービスがあるのか。

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 クラウドベンダーは、自社が提供するクラウドサービスを、ユーザー企業のオンプレミスインフラで運用可能にするサービスを充実させつつある。例えばAmazon Web Services(AWS)は同名クラウドサービス群をユーザー企業のオンプレミスインフラで利用できるようにするアプライアンス「AWS Outposts」を提供している。Microsoftの「Azure Stack」も同様のアプライアンスであり、オンプレミスインフラで同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」を利用可能にする。

DCaaSは「クラウドは嫌だが従量課金は捨てがたい」の声に応える

 AWS OutpostsやAzure Stackなど、クラウドベンダーが自社サービスをユーザー企業のオンプレミスインフラに提供する取り組みは「逆方向のクラウド移行」だ――。MSP(マネージドサービスプロバイダー)の1901 Groupで最高成長責任者を務めるポール・ウィルキンソン氏は、こう話す。

 クラウドサービスにワークロード(アプリケーション)を移行させたくないが、ハードウェアを所有したくないと考えるユーザー企業の選択肢として「DCaaS」(Data Center as a Service)がある。DCaaSは、ハードウェアやソフトウェアをリースまたはレンタルするサービスだ。ユーザー企業は、高額な初期投資が必要なくなるだけではなく「従量制課金方式でインフラを構築したり、拡張したりできるようになる」とウィルキンソン氏は述べる。

 サーバやストレージ、ネットワークなどのインフラを、オンデマンドで大規模に提供しているのがクラウドサービスだ。DCaaSは「その推進力に追い付くのに苦労する」とウィルキンソン氏は話す。DCaaSは、不特定多数のユーザー企業を抱えるクラウドサービスと比べて「規模の経済を実現するのが難しい」というのが、同氏の見方だ。

 それでもクラウドサービスにアプリケーションやデータを置きたくないと考えるユーザー企業は、常に存在する。クラウドベンダーは、ユーザー企業の需要や成長戦略に合わせて、オンプレミスインフラをクラウドサービスのように利用できるようにするための支援を続けている。「クラウドベンダーやそのパートナーは、ユーザー企業に適切なサービスを提供できるように、ユーザー企業のニーズを理解しなければならない」(ウィルキンソン氏)

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