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データセンターの電力使用効率「PUE」は10年でどう変わった?変化に迫られるデータセンターの実態【第2回】

データセンター設計の認定機関が実施した調査は、データセンターの電力使用効率に言及した。データセンターの電力使用効率は約10年でどのように変化したのか。その背景にあるものとは。

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 データセンター設計の認定機関Uptime Instituteはデータセンターに関する年次レポート「The Uptime Institute Global Data Center Survey 2022」を2022年9月に公表した。同機関がレポートで分析したのは、データセンターにおける電力使用効率の変化だ。2000年代から2022年にかけて電力使用効率はどう変わり、何がそれに影響を与えたのか。

約10年でデータセンターの「電力使用効率」に起きた変化

 調査はUptime Instituteが2022年前半に実施した。世界中のデータセンターのオーナーや事業者約800人と、データセンターのサプライヤーや設計者、アドバイザー約700人が調査対象となった。

 レポートによると、炭素排出量と使用水量の記録を実施している事業者は、それぞれ30%台にとどまった。一方で事業者が広く実施できているのは、電力使用効率の把握だ。9割近くの事業者が、電力使用効率についてのデータを、適切に収集していた。電力使用効率は最終損益に直接的に影響するからだと考えられる。

 データセンター全体の電力使用量に関するレポートを作成していると答えた回答者は85%に上った。データセンターのIT機器の電力使用効率を測る指標「PUE」(Power Usage Effectiveness)を注視していると答えた回答者は73%に達した。

 PUEの値は、小さいほど電力使用効率が良いとみなす。調査によると、2007年から2018年にかけて、年平均のPUEは2.5から1.58へと下がり大きく改善したものの、2018年から2022年にかけては、ほぼ横ばいの状態が続いている。

 レポートによると、2007年以降にPUEが改善されてきたのは以下の改善策が導入されてきた結果だ。

  • アイルコンテインメント(物理的にラック架列を密閉し、熱い空気と冷たい空気を分ける空調最適化手法)の使用
  • 冷却制御装置の最適化
  • サーバの吸気温度の上昇

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