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食品廃棄の削減効果がデータで分かる「モバイルアプリ」のすごい仕組みとは小売業界が取り組むフードロス対策【第5回】

スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売企業が、モバイルアプリケーションを活用し、フードロス削減に取り組む動きが広がっている。どのような仕組みを活用しているのか。

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 フードロス(食べることのできる食品が廃棄になること)削減を目的に事業を展開するモバイルアプリケーションベンダーOLIOは、スーパーマーケットTescoと、フードロス削減を目的に活動する慈善団体Fareshareとの提携を2022年6月に発表。モバイルアプリケーションの“ある仕組み”を活用して、フードロスを削減する取り組みが進んでいる。

フードロス削減効果をデータで示す「モバイルアプリケーション」の仕組み

 OLIOはスーパーマーケットと提携し、店舗で出た余剰食品のリストを同社のモバイルアプリケーションにアップロードして、消費者に分配する取り組みを実施している。

 TescoとFareshareとの提携に当たり、OLIOは同社のモバイルアプリケーションをFareshareのシステムと連携させた。具体的には、Tescoの従業員が提供可能な余剰食品をシステムに報告すると、Fareshareが最初に食品を選び、その後OLIOのボランティアがその残りから選ぶという流れだ。

 OLIOのモバイルアプリケーションはクラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)で稼働しており、ソフトウェア開発用フレームワーク(機能群)の「React Native」とプログラミング言語「Ruby on Rails」を用いて構築されている。

 北アイルランドを拠点に卸売りやコンビニエンスストアを運営するHenderson Technologyは、OLIOが提携する企業だ。同社で小売技術運用担当ディレクターを務めるダレン・ニッケルズ氏は次のように話す。「Ganderのモバイルアプリケーションが成功した鍵は、Henderson Groupの小売管理システム『EDGEPoS』との接続性にある」

 例えばGanderのモバイルアプリケーションには、ユーザーが値引き状況をリアルタイムで閲覧できる機能がある。ユーザーが商品を購入すると、該当商品はアプリケーションの画面から自動的に削除される。

 クラーク氏は、小売業者はOLIOのモバイルアプリケーションから出る効果測定用のデータに強く関心を寄せていると話す。例えば、以下のようなデータだ。

  • 余剰食品を提供した月別の人数
  • 廃棄されずに済んだ食品の量
  • 抑制できた二酸化炭素(CO2)の排出量や、水の使用量

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