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リコー、製造原価分析にNTTデータの「Qlik Managed Service on A-gate」を導入NEWS

複合機世界大手のリコーが、製造原価管理業務においてNTTデータの「Qlik Managed Service on A-gate」を導入。海外の生産拠点で複数の機種を生産する同社が、同製品を導入した理由とは。

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 海外の生産拠点だけで10カ所以上を抱える複合機世界大手のリコー。オフィス用複合機やプリンタといった画像機器や光学機器の部品加工から組み立てまでを担う海外拠点は、製品機種別の製造原価情報を基にした分析や可視化を通じた経営指標への貢献を求められてきた。だが既存の仕組みでは、各拠点が管理する大量のデータから機種単位の製造原価を積み上げ、それを可視化、分析するのは困難だった。同社は2022年11月、NTTデータが提供するクラウド型のデータ分析サービス「Qlik Managed Service on A-gate」を導入。各拠点で取得される、各機種の調達部品に関する最新原価情報の積み上げ、各部品の月次のコストに関する変動情報の分析、可視化という一連の作業の自動化を実現した。

Qlik Managed Service on A-gateとは

 リコーが導入したQlik Managed Service on A-gateは、NTTデータが提供する、企業向けのパブリッククラウドのサービス基盤を使って情報漏えいリスク対策を支援する「A-gate」に、Qlik Technologiesの分析ツールを実装している。リコーでは、社内外の拠点にいる利用者が製造原価を積み上げ、そのデータを基にQlikの分析ツールを使用する。クラウドの利用者が情報漏えいにつながる設定変更を実施した場合には、A-gateがその設定を検知して自動修復する。

 リコーは今回、NTTデータからQlik Managed Service on A-gateの導入を通じて、クラウド型のデータ統合と分析を実現する分析ツール「Qlik Sense」の提供、Qlik Senseを使った「機種原価管理アプリ」の開発と実装の支援を受けた。

本サービスを活用して構築した「機種原価管理アプリ」の概要と効果

 Qlik Managed Service on A-gateを活用して構築した機種原価管理アプリの特徴は「原価に係る大量データの短時間での取り込み」と「変動原価の再計算、変動要因分析の月次化」の2つだ。

 原価に係る大量データの短時間での取り込みについては、リコーの各拠点に存在する変動原価情報を製品機種コード単位で集約して積み上げ、可視化と分析をする。この機能を通じて同社では、新製品の量産1台目時点から、原価変動を工場単位やグループ連結単位で集積し、短時間での分析と可視化を経て、原価管理部門と業績管理部門に情報提供することが可能となった。

 変動原価の再計算、変動要因分析の月次化については、既に利用してきたシステムのデータをそのまま利用できることが強みで、CSVファイルや表計算ツール「Microsoft Excel」のファイルをそのまま利用できる。組織内の複数システムからデータを集めて時系列で蓄積するデータウェアハウス(DWH)やデータベースがなくてもデータを活用できる。

 リコーではQlik Managed Service on A-gateの導入を通じて、過去に蓄積されたデータも含めて分析でき、国内外の拠点のデータ利用者がいつでも最新のデータを閲覧できるようになった。Qlik Managed Service on A-gateの導入までは、変動原価の再計算と変動要因の分析には手作業での前処理が必要だったが、今回の導入により、最新原価情報の蓄積、データの分析と可視化の自動化を実現した。

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