英スーパーが“食品を売り切る”ために導入したシンプルな販売戦略:小売業界が取り組むフードロス対策【第6回】
英国のスーパーマーケットチェーンは店舗におけるフードロスを防止するため、スウェーデンのIT企業が提供するモバイルアプリケーションを試験的に導入した。その特徴や効果とは。
Walmart傘下のスーパーマーケットチェーンAsda Storesは、フードロス(食べることのできる食品が廃棄になること)削減に貢献するツールを探し求めてきた。同社が2020年に試験的に導入したのが、スウェーデンのIT企業Whywasteが提供するモバイルアプリケーションだ。どのような特徴を持つのか。
食品を売り切るシンプルな販売戦略
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連載:小売業界が取り組むフードロス対策
- 第1回:“フードロス問題”の救世主? 小売業界が注目する「あの技術」とは
- 第2回:英国の大手スーパーが「フードロス問題」と戦う“深い”理由
- 第3回:“フードロス”対策で注目の「モバイルアプリ」は何がすごい? 格安販売の裏側
- 第4回:食品廃棄を減らすとなぜもうかる? アプリベンダーと小売業が注目する仕組み
- 第5回:食品廃棄の削減効果がデータで分かる「モバイルアプリ」のすごい仕組みとは
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Whywasteは、消費期限が近い商品を確認できるモバイルアプリケーション「Semafor」を提供する。同社の創業者クリストファー・ハグシュテット氏が重視するのは、フードロス問題の「予防」だ。
2020年、Asda StoresはSemaforを店舗に試験的に導入した。同社は数日中に消費期限が切れる商品をSemaforで可視化し、店舗の従業員に商品の値引きといった対策を促せるようになった。「従業員は、消費期限切れ間近の商品を簡単に把握し、対処できる」とハグシュテット氏は話す。同社は2022年末までに全ての店舗にSemaforを導入する計画だ。
Asda Storesで廃棄物プロセス管理者を務めるアンドリュー・ハドソン氏は、「当社はフードロス削減に活用できる技術やツールを常に探してきた」と話す。Semafor導入後は、店舗からさまざまな反響があった。「このツールが今後もたらす影響に期待している」とハドソン氏は語る。
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