「燃え尽き症候群」の温床となる“悪い”職場文化とは?:ソフトウェア開発者「燃え尽き症候群」の防ぎ方【第3回】
職場にはびこる悪い文化や慣習は、ソフトウェア開発者が燃え尽き症候群になる要因だ。開発者にとってプレッシャーになりやすい職場文化とは何か。
Salesforce傘下のデータ連携ツールベンダーMuleSoftは、2022年4月に最高情報責任者(CIO)とIT意思決定者600人を対象に、開発者の雇用に関するアンケート調査を実施した。回答者がソフトウェア開発者の燃え尽き症候群の原因として挙げた主な項目は、以下の通りだ。
- 作業負荷および他チームからの要求の増加
- デジタルトランスフォーメーション(DX)のプレッシャー
- 新しい技術の断続的な習得
ソフトウェア開発者に悪影響を及ぼす職場の文化とは
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ソフトウェア開発者は、納期が厳しい開発プロジェクトを複数抱える傾向がある。それが長時間労働につながり、絶え間のないストレスを生む結果、燃え尽き症候群のリスクが高まる――。開発者仲介企業Turing Enterprisesの共同創設者兼CEO、ジョナサン・シッダールタ氏は、こう指摘する。
Web開発ツールベンダーPantheon Systemsで最高技術責任者(CTO)を務めるデービッド・ストロース氏も、ソフトウェア開発者の燃え尽き症候群には、厳しい納期から来るプレッシャーが影響するという意見に同意する。「プレッシャーによって、ソフトウェア開発者と自身の業務の関係が悪化する」とストロース氏は話す。
ソフトウェア開発業界にはびこるストレスの要因は「特定分野の専門家にのしかかる負荷だ」とストロース氏は指摘する。卓越したスキルを有するソフトウェア開発者は、自身の不在がプロジェクトを妨げることを恐れ、休暇を取りづらいと感じるからだ。「開発チームが特殊な仕事を求める場合は、少数の専門家に頼ることになりやすい。この事実が、専門家を代え難い存在にしている」(同氏)
職場の文化も、燃え尽き症候群を引き起こす要因になるとグロスマン氏は考える。「周囲の期待に応えるために仕事を離れてはいけない」という文化が根付く職場で働いている人に対して、グロスマン氏はこう助言する。「そうした文化に従うことは現実的でも、健全でもない」
第4回は、ソフトウェア開発者が燃え尽き症候群を予防するための具体策を紹介する。
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