ユーザーデータ収集企業がGoogle「位置情報収集」訴訟を無視できない理由:ロケーション追跡の慣習は変わるか【後編】
Googleに対して米国40州が起こしたロケーション追跡を巡る訴訟は、エンドユーザーのデータを収集する、あらゆる企業に影響があると専門家はみる。どういうことなのか。
ロケーション(位置情報)追跡はプライバシー侵害に当たる――。米国40州がGoogleに対して起こした訴訟は、Googleが3億9200万ドルの和解金を支払うことで決着した。この訴訟は、他の企業にとっても“ひとごと”ではない。
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Googleのロケーション追跡を巡る訴訟について「企業は重大なこととして受け止めるべきだ」と、調査会社Forrester Researchのアナリスト、ステファニー・リュー氏はアドバイスする。規制当局は、ロケーションといった個人に関するデータ収集に関して、企業がエンドユーザーの同意を得るための明確な基準を設定し始めているとリュー氏は指摘。今回の訴訟はその証拠だと同氏はみる。
欧州連合(EU)が可決した「デジタル市場法」(DMA:Digital Markets Act)は、エンドユーザーにオプトイン(承諾)とオプトアウト(拒否設定)の明確な選択肢を提供することを、企業に義務付けている。フランスのデータ保護当局は2022年1月、Googleがcookieに基づくバナー広告に、明確なオプトアウトの選択肢を用意していないと判断。Googleに約1億5000万ユーロの罰金を科した。
「米国カリフォルニア州消費者プライバシー法」(CCPA:California Consumer Privacy Act)は、エンドユーザーをだまして同意を得る手法を禁じている。「米国データプライバシー保護法案」(ADPPA:American Data Privacy and Protection Act)も同様だ。
今回の和解による解決は「エンドユーザーによるオプトアウトを可能にするだけでは、企業の取り組みとして十分ではないことを示している」とリュー氏は指摘する。オプトアウトの選択肢が複雑な場合や、直感的ではない場合は「企業がトリックを使って人々をだましたり、操作したりして、意図した以上のデータを共有させるように仕組んでいるという印だ」(同氏)
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